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豚丼上等さんのレビュー一覧

投稿者:豚丼上等

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本吉野家

2006/11/13 22:08

ふ〜ん、でもどこかちょっと...

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

どことなく据わりの悪いものを感じる好著だと思います。
そもそも、この本の読者の9割は、「なんで吉野家はアメリカ産牛肉にこだわるのか?」という、例の不可解としかいいようのない疑問を氷解させるべく、書店でこの本を手にするはずです。しかし、実はその背景にはもう一つの疑問、つまり「誰もが疑問に思うことを、なぜ吉野家は解りやすく説明しないのか?」という疑問があるはずです。
そこで著者は、そのカラクリを「吉野家の消費するショープレート肉の量」と「オーストラリアなど他の輸出国の牛肉流通システム」の二つの要因で、とても明快に説明してしまいます!
すると…
じつは、そこに残るのは「こんなに単純で解りやすい理由なら、何で吉野家自らが説明しなかったんだ?」という、より屈折した不可解な疑問に他なりません。こんな単純な理由なら、「実はこんな理由で吉野家も困っているのです。」と説明すればよかっただけで、そうすることによって別に吉野家の企業イメージが損なわれることもなかったでしょう。
本当はほかに理由があったんじゃないの?などと勘繰りたくなるのが普通の消費者の感覚だと思います。
さてここで、この時期に消費者にとって本来最も重要な部分とは、すなわち吉野家がここまでこだわり続けても使おうとしている「米国産牛肉の安全性」であるはずなのですが…
本書には「安全性」に関する記載は全くみられません。
安全性に関する考察は、吉野家が自社サイトに展示している「三段論法?」に任せても構わないと考え、本書では経営と牛肉流通にのみ焦点を合わせているのだと好意的に判断するとしても、しかしこの時期にやたらと「吉野家の接客理念が粋だ」などとばかり強調するとすれば、それは接客以前の安全性=企業責任というとても重要な問題点を一般消費者から隠匿する結果にもなりかねません。
おもえば、米国産牛肉が輸入禁止となっても、消費者の側には大きな混乱はなかった。「米国産牛肉輸入再開待望論」という話題さえもが維持できたかどうかわからない情況で、唯一のわかりやすい話題提供であり続けたのが吉野家の「米国産へのこだわり」でした。あそこで他国産牛肉に手を出して細々と急場を凌いでしまっては、この話題性は維持できなかったわけです。
もともとショートプレート肉は米国内では無価値なんだそうですが、それを大量に購入してくれて、輸入再開待望論まで2年以上も引っ張ってくれるなんて、米国にとっては「吉野家様様」だったのでしょう。
余計に据わりが悪いのが、著者のあとがき「おわりに」の258ページにある次の一文。
「というのも、本書が刊行されるということは、吉野家に牛丼が復活するということであるから。」
つまりは、この吉野家絶賛の書は、吉野家の牛丼復活に時期を合わせて出版するという意図が事前に著者と吉野家社長の間にあったとのことです。
「各国のとうもろこしの輸入量」などなど、いろんな数字まで列挙されていて、確かに本書は一見すると「特盛り」なのですが…
それはお手盛りの特盛りかと勘繰ってしまうと、本書のお値段は...
(巻末には、「吉野家誕生ものがたり」というビジュアル満載の付録までついています。吉野家の薀蓄を知る本としては好著でしょう。)

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