サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. KHさんのレビュー一覧

KHさんのレビュー一覧

投稿者:KH

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本疑惑の月蝕

2001/02/24 20:34

アルドナリスは何度死ぬ?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 アルドナリスの自害、スカール率いる騎馬民族の参戦により、戦争は一旦停戦となる。ナリスの死亡を受け、混乱するナリス軍。そしてその噂は瞬く間に中原を駆けめぐる。そのときスカールは、グインは、イシュトヴァーンは。
 グイン・サーガ77巻は、アルドナリスの死を巡り、各国の対応を中心に物語は進む。久々のパロ以外の国の様子が語られ、ファンにはうれしい一冊となっている。前半はパロ、ナリス軍内部の状況をヨナ、スカール、リギアを通して。後半はイシュトヴァーンとカメロンを中心にゴーラの様子を、グイン、マリウス、ハゾスを中心にケイロニアの様子を描く。
 全編を通じて、アルドナリスの死が疑われる描写が続く。もちろん、これは作者が意図的にしていることであろう。読者は、まさか死んでいるはずはないだろう、これは何かトリックがあるのだろうと思いながら読み進めることになる。難をいえば、「死んだ振りをして何かをやり過ごす」という展開は、思いつくだけでも過去3度行われていることである。次の巻でおそらく何らかの種明かしがされるのだろうが、読者がうまい具合に裏切られる展開が期待したい。
 また、この巻では人々の運命の転換が描かれている。パロを捨て、草原へゆくことを決意するリギア。ナリスの敵を討つべく国王軍への勝ち目のない戦いを挑むルナン。そして中原制覇への野望をあらわにするイシュトヴァーン。いつか国を捨てるであろうことが示唆されるグインの言葉。妻子を捨て、パロへ、ナリスのもとへ向かうマリウス。これらはみな、今後、物語がいよいよ収束へ向かって進展することを暗示させる。
 この巻のクライマックスは、なんといっても最後のナリス遺体を前にした魔導士戦であろう。最近は、登場人物の内面を掘り下げる描写を得意とする作者であるが、息詰まる魔導士たちの戦いは見物である。
 そして、いよいよ帰還するヴァレリウス。物語は、続く。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。