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たにざきさんのレビュー一覧

投稿者:たにざき

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身体=空間と現存在

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 ハイデガーは、晩年、スイスのメダルト・ボス邸でセミナーを開いていた(いわゆるツォリコーン・ゼミ)。このゼミはいわゆる「哲学者」たちを相手になされたものではなかったために、後期のハイデガーにしてはかなり砕いて事態を説明しようとしている。このため、初期の『存在と時間』の記述にかなり接近しながら説明がなされている。著者は、その点に注意を促し、未完に終わっている『存在と時間』の不十分な点を、ここに読むことができると主張する。具体的には、『存在と時間』では抽象的な記述にとどまっていた「身体=空間」が、かなりメルロ・ポンティ的な意味での具体的で生きられた「身体」の記述にまでいたっている、という主張である。
 いままでそれほど光を与えられていなかったツォリコーン講義に光を当ててハイデガーを読もうとする試みは、研究書としての価値を十分にもつように思えるが、しかし、それは現存在分析を語るところへまではいたっていない。現存在分析についての第二部では、せっかく一部で語られていたようなハイデガーの概念群がいかされておらず、メダルト・ボスの記述にばかりたより(メダルト・ボスのハイデガー解釈の正当性ははなはだ怪しい)、ハイデガーとの連携はうまくはかられていない。
 いい題材を考察しているとは思うが、もう一つ面白味に欠けるのは、既存の理論の枠組みを踏み越えてみずからの論を立てようというところまで至っていないからであろう。今後に期待したい

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