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プリごろ助さんのレビュー一覧

投稿者:プリごろ助

2 件中 1 件~ 2 件を表示

へこたれるもんか!と、がんばる勇気をくれる作品

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今、最も旬な漫画といえばやっぱりこれでしょう。すごい人気です。
音楽大学を舞台に、右往左往しながらもがんばる学生の姿を描いたこの作品。
以前から気にはなっていたものの、大学生活とおさらばして長い年月が過ぎてしまった自分に果たしてハマれるだろうかと不安があり、なかなか手が出せなかった。
けれど、最近のクラシック音楽ブームを受け、テレビの情報番組でこの漫画がその火付け役だと紹介されているのを見て、やっぱ読んでみようととりあえず3巻まで購入。(おもいきって全巻まとめての大人買いが出来ない大人がここに一人・・・)
そして、お財布の中を見て心の中でしくしく泣きながらも、結局は刊行済みのもの全巻を買うことに。それくらいに本当に面白かった。
読む前から、主人公の野田恵こと「のだめ」が、とんでもなく変な女だと予備知識を得ていたので、もう少しギャグ度の高い作品かと思っていたが実際は違った。
たしかにコメディっぽさも併せ持っているものの、これがなかなかシュールな中身だったりする。
のだめも確かに変な女だが、思っていたほどおちゃらけ過ぎてもいなかった。恋にピアノに悩む姿は普通の少女そのものである。
そして、間違いなく青春ものなんだけど、そんなに青春臭さを感じないのはなぜだろう。
でも自分の過去とシンクロしてしまう部分があるせいか、息苦しさを感じてしまう。自分が通っていた大学は音大ではなかったけれど、ピアノが必須科目だった。入試面接の時に、ピアノの経験の無い人でも大丈夫ですよ〜と言われたので安心していたが、それまでピアノなどろくに弾いたこともなかった自分にはやはりしんどいものだった。
一人暮らしのワンルームのアパートではピアノが置けるわけもなく、毎日毎日、時間ぎりぎりまで学校のピアノで練習した。
何度弾いても同じ箇所でつまづき、涙があふれては楽譜が見えなくなって余計に悔し涙が滲んだりした。
あの頃のつらさ、苦さがこの作品から伝わってくる。
だから余計に、登場人物たちにエールを送りたくなる。
そしてそんな読者のエールに、のだめも、指揮者を目指す千秋も、他の登場人物たちもちゃんと応えてくれるのだ。
それぞれが苦悩し、倒れそうになりながらも歯を食いしばり苦悩に立ち向かう姿はとてもかっこよく、感動する。
そう、がんばるとはかっこいいものなのである。
10巻からは舞台は世界に移り、のだめも千秋も新たな苦境に立たされている。
でも所詮は一歩ずつ進んでいくしかないのである。
そしてその一歩ずつこそが大切なもの。
いつか大きな何かを手に入れるための宝となるのだと思う。
13巻現在では、のだめと千秋の関係もすこ〜し前進かなという展開も見せながら、二人それぞれの道はまだまだこれからが正念場といったところ。
二人がどこにたどりつくのかしっかり見届けたい気持ちはもちろんのこと、それよりも、苦悩して、それでもへこたれず乗り越えていく姿をもっともっと見せて欲しい。
今、壁にぶち当たって挫けそうな自分と戦っている人にこそ読んで欲しいなと思う。
きっと勇気を与えてくれる作品ですよ。

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青春の忘れ物を手に入れたかのよう

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 胸がきゅんとしたり、きりきりしたり。甘酸っぱく、そしてなんてほろ苦い作品なのだろう。美術大学を舞台にした、まさに青春な漫画。メインキャラ5人全員が片想いという設定で、それぞれの恋模様などが描かれている。アニメ化の次は実写映画化も決まり、今後ますます人気が出そうな旬な作品である。気になる作品ではあるけれど、音楽大学を舞台にした『のだめカンタービレ』と同様に、大学生活から遥か遠ざかってしまった自分に、はたしてハマれるだろうかと不安で長い間手が出せないままだったが、意を決して読んでみて本当に良かったと思う。そして初めて読んだ時は、タイムスリップしたかのような気持ちになった。80年代に人気を博した高橋留美子作の『めぞん一刻』を彷彿とさせるような懐かしい雰囲気があったからだ。
 突拍子もないギャグも織り込まれているが、基本的にはかなりリアルな青春が描かれていると感じる。人のことはよく見えているのに、自分の気持ちや恋には不器用な彼らの姿は、現実に置き換えても誰もが見覚えのある姿なのではと思う。
 どの登場人物にも共感が出来るし、思わず応援したくなるけれど、一番応援に力が入ったのは竹本君かもしれない。他の皆については少しずつながら「前進」しているという感じがするが、竹本君に限っては前進というよりも、「成長」という感じがしていいなと思う。なかでも、6巻からこの7巻にまたがる、彼の「自分探し(※本人は否定)の旅」の話がとても好きだ。就職がなかなか決まらずに、自分が本当にやりたいことも見つからない。からっぽの自分。焦燥感、空虚感、いろんなものが自分の中で渦巻き、悩んで葛藤して・・・気が付いたら自転車を漕ぎ出していた竹本君。結局あんな遠くまで行っちゃうのが実に彼らしい。
 彼の長い長い自転車の旅が終わった時、気が付いたら涙がぼろぼろこぼれていた。彼と一緒に、自分もやり遂げたような疑似体験にも似た感覚に包まれた。なんて清々しいんだろうと思った。そしてそこで初めて気が付いた。この作品が気になるのになかなか手を伸ばせなかったのは、単にハマれるかどうかという問題だけではなかったんだと。きっと、懐かしいあの頃の苦さを思い返したくなかったからなんだと。それは同時に、あの頃を消化できずにいい思い出にできていないままの自分がいることを認識させられることとなった。描きかけのままほったらかされた絵のように、作りかけのまま埃をかぶったプラモデルのように、消化不良のまま残されてしまったあの頃の自分。けれど、竹本君の自転車の旅を通して、青春の忘れ物をやっと手に入れたような気がした。やっとあの頃の青春をきちんと終えられた気がした。竹本君と一緒にというよりは、彼が私の代わりに旅をしてくれたかのような気持ちさえする。だから伝えられるものなら、彼に有難うと伝えたい。
 幾ら悩んで考えたって出ない答えもある。けれど、たとえ答えは見つからなくても、出口はきっと見つかる。そんなことをこの作品から教えられた気がする。
 学生時代から遠ざかってしまった大人の皆さん、とりあえず、青春の忘れ物でも取りに戻ってみませんか?何か大事なものをつかめる漫画ですよ。

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