豆しばさんのレビュー一覧

今回も良き事を聞き、そして和みました

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和の心を持つ柴犬・しばわんこと、いたずら好きの三毛猫・みけにゃんこが案内してくれる「和」の世界。大人気のこのシリーズももう3巻目。今回も楽しく分かりやすく日本の伝統や風習を教えてくれています。伝統や風習なんて言葉を聞くと緊張して構えてしまいがちですが、この絵本はリラックスしながら楽しく学べてしまいます。子供には絵本として、大人には実用書としてとても役立つ本です。

いつも思わず「へぇ〜」と言ってしまう内容ばかりですが、今回一番興味深かったのは「文様」についてでした。今まで文様の意味など気にしたこともなく、”和風な柄”の一言で終わらせていた自分にとってはまさに目から鱗でした。「斧・琴・菊」＝「よき・こと・きく」＝「良き事聞く」など、故事や文学にちなんだものから、意味を知ればくすりと笑ってしまうようなシャレのきいたものまでいろいろ紹介されています。まさか、”和風な柄”に昔の人たちの遊び心が隠されていたなんて本当に本当に目から鱗でした。今度から文様を見たらどんな意味が隠されているのか考えてみようと思いました。考える楽しみというものができて素直に嬉しいです。

しばわんことみけにゃんこの他にも新聞配達少年とそのおばあちゃん、シングルファーザーのおそば屋さんと子供たち（双子）、おそば屋さんの恋人のお姉さんなど、個性豊かな登場人物がまたこの本を深く楽しいものにしてくれています。
可愛いキャラクターに、丁寧で奇麗な色遣いの絵。ページ全体から和みの雰囲気があふれている老若男女皆におすすめしたくなる本です。