ぽこらさんのレビュー一覧
投稿者:ぽこら
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2004/02/11 14:14
カードの国家観に賛成できるか、否か
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オースン・スコット・カード、好きですよ。エンダーシリーズも全部読んでますので、この「続.エンダーズシャドウ」は期待してました。
上巻と下巻に別れているところが味噌ですかね、この作品の場合は。
話はバガー撤退の後の地球。戦うべき外敵がいなくなると、またもや地球上での侵略と征服物語に逆戻りしてしまう悲しい地球人の姿は、SF作家でなくても容易に想像できるところではありますが、そこにバトルスクールの子供達の必要性ってなに?と問われる物語ができあったんですね。
地球を挙げて育て上げた天才児達をそのまま子供として扱う国家は無いわけなのだけれども、はてさて、そこで大人の人間達が彼らの言葉に素直に従うかと言うとそうもうまくいかない。
そこに現れたのが、かつてのスラム街のボス「アシル」。主人公ビーンの天敵なのですが、悲しいかな。このアシルの「悪」の印象がどうも弱いんですよね〜。前半はビーン対ピーターの意地のぶつかりあい&友情、後半はアシル対ピーターの頭脳合戦かな?と思いきや、カードの考えた世界観ってこんなものなの?と首をかしげるような展開。
上巻だけ読んで、後半は自分で考えたほうがすっきりしたかなあ。もっとピーターを活躍させて欲しかった。そんな中途半端な読後感だけしか残らないのが、なんとも残念でなりません。
シスターとビーンの心のふれあいは、上巻二人が旅を続ける場面がとても心休まりますね。朝食で食べていたオレンジ、街のアイスクリーム屋など、ちょっとした風景画のようで、カードにしては珍しくて好きです。
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