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ツタコさんのレビュー一覧

投稿者:ツタコ

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本小さいときから考えてきたこと

2007/11/12 19:16

静かにしてないと黒柳徹子にお説教されちゃうよ!

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もしわたしに子どもがいたら。しかもわんぱく盛りで、親の言うことを聞かない元気な男の子がいたら。
こう言って静かにさせたいと思いました。

「静かにしてないと黒柳徹子にお説教されちゃうよ!」

黒柳さんはお説教の名手だそうです。お友達の家の飼い猫から、泣き止まない赤ちゃん、電車で騒ぐ男の子まで。理路整然と、でも子どもがちゃんとわかるような言葉で語りかけるようにお説教します。

子どもはともかく、猫や赤ん坊に真剣にお説教するなんて、傍から見るとかなりおかしい状況です。でも不思議なことに、黒柳さんがお説教すると、相手はきちんとおとなしくなるそうです。自分に真剣に語りかけてくれる人のことは、たとえ猫でもわかるのでしょう。
そんなお説教だったら嫌じゃない。むしろして欲しい。

こんなふんわりとしたエッセイと、ユニセフ親善大使の活動報告と。黒柳徹子さんの真剣さ(どこかちょっとずれてるけど)が伝わってきて、心温まる本です

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ホスピスというイメージからは程遠い、山谷のホスピス

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本有数のドヤ街、山谷。ここでは1960年代の高度成長期、日雇い労働者として働いていた人々がそのまま高齢化し、ある人はドヤに住民票を置き生活保護を受け、ある人は路上生活を選び苛酷な生活を送っている。
そんな山谷のまっただなかにできたのがこの本の舞台となる在宅ホスピスケア施設「きぼうのいえ」だ。ホームレスをはじめとする、身よりも行くあてもない病身のお年寄りたちが、ボランティアの人々の助けを借りながら共同生活を送る、いわば最期の家。日本版の死を待つ人の家といったところだろうか。
しかしここの住人たちは、ホスピスの患者、というイメージとはかけ離れたパワーを持った人ばかりである。点滴をしたままパチンコに出かけたり、血圧低下したまま3日も生き延びたり。
生きていくだけで相当なエネルギーを使わざるを得なかった山谷の人々は、死ぬときも一筋縄ではいかないのだ。そんな海千山千のお年よりを相手に、著者である「きぼうのいえ」施設長山本さんの奮闘(あるいは悪あがき)ぶりがおもしろい。
さんざん迷惑をこうむったであろう入居者の親族に、「こんな風に死ねてよかった」と言ってもらえる。人生最後の希望とは、幸福に死んでゆくことなのかもしれない。そのために「きぼうのいえ」は戦いつづけていくのだろう。

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紙の本ひばり館

2007/01/09 19:04

語られる民族の記憶。それもとびっきり悲しい。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1915年実際にトルコで起きたアルメニア人虐殺事件をもとにした物語です。
祖国を離れ、イタリアで医者として成功していた兄が故郷を訪れる。
その知らせを聞いたトルコの弟一家は、別荘である「ひばり館」を改築し、盛大に出迎えようと計画する。
しかし時代はどんどん不穏な方向へと向かっていく。
トルコの第一次世界大戦参戦、アルメニア人男性に下された出頭命令。そして…。
異民族であっても、トルコで豊かに暮らしていた弟一家は、信じられないほどの苦難を味わうこととなります。
物語は、祖国に帰る望み叶わず、イタリアで果てた兄の、孫にあたる人物によって語られます。
一族の悲しい記憶として。
冒頭の、にぎやかで幸福な家族の描写の合間に挟み込まれる未来の悲劇。その落差に思わず胸が痛くなりました。
それでも語らなければ、いつか忘れられてしまう。そして同じことを繰り返してしまう。
大量虐殺という悲しい記憶に対して、できることはそれしかないのでしょう。
翻って、日本の悲しい記憶はどうなっているのだろう、とちょっと考えさせられた小説でした。

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紙の本障害のある人がいる家族の肖像

2006/01/17 03:20

ありのままの姿

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

デンマークの、さまざまな障害を持つ人と、その家族の姿を力強く美しい写真とインタビューとで綴った本。
美しいと書いたけれど、クルゾン症、小人症、ダウン症、サリドマイドの後遺症などの「外見の違う人」(著者はじめにより)たちの写真は、実のところとても奇妙で、まじまじと見つめるのをためらわせる。
「外見の違う人」を、違うから、という理由だけで自らと異なるものとして排除していた自分を思い起こさせるから。
しかしこの本の中の写真は、そういった違いを持つ人とその家族をありのままに写し出している。
違う人がいて、違わない人がいる。
これが自然な姿なのだと写真が雄弁に語っている。
だからこれらの写真は力強く、そして美しいのである。
もちろん、障害者を持つ家族も、障害のある人本人もはじめから「違い」を受け入れられていた訳ではない。「どうして自分の子供が」「どうして自分が」という葛藤と、それを乗り越えてゆく過程を赤裸々に語るインタビューも、その率直さに圧倒される。

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