有田能平さんのレビュー一覧
投稿者:有田能平
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紙の本アニマルセラピーのすすめ 豊かなコミュニケーションと癒しを求めて
2001/08/12 13:10
実践向けのアニマルセラピー小百科
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一口に「アニマルセラピー」と言っても、ずいぶん幅広いものだとこの本を読むと思ってくる−−指導員による本格的な「乗馬セラピー」から、足元で寝ころぶネコを見て、ふと自分の心がなごむことまで。最近は、社員のリラックスのために、オフィス内でイヌなどの動物を飼っているハイテク系の会社も多いらしい。これなども、著者のいう「アニマルセラピー」のよい例なのかな……。
この本のポイントは「セラピー」にある。つまりお年寄りとか障害者などの弱い立場の人たちの心をなぐさめたり、機能回復(リハビリ)に役立ちたいと思っている人向けの、実際的な入門書ということだ。しかも幅広く紹介されているので、実践向けのアニマルセラピー小百科といえるだろう。
この本を読むと、著者の「私が出会ったアニマルセラピー」を順にめぐっていける。すると読者は、実際的なその分野の知識にいつのまにか身につけられる。アニマルセラピーに関心があり、自分でも始めたいと思っている人には、役立つ情報が少ないだけに、とてもありがたいことだろう。セラピー場面の写真も多いので、親しみやすい。
著者は、自分でも苦労して実際にセラピー活動を組織している人だけに、入門者に対して、楽しいだけでなく、セラピー活動の厳しい面を伝えるのも忘れない。例えば同じイヌでも、セラピーに適したイヌもいれば、適さないイヌもいるという。当然のことなのかもしれないが、初心者もぜひ知っておきたい知識だ。もちろん、しつけのできていないイヌも、セラピー犬には適さないという。
教師向けのシリーズの一冊だが、それだけではもったいない気がする。もっと広範囲の人たちに興味をもたれてよい本だろう。
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