日明恩さんのレビュー一覧
投稿者:日明恩
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紙の本埋み火
2005/08/24 19:43
著者コメント
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本にお目を停めて下さって、ありがとうございます。『埋み火』は、前作同様、消防士という職業を通して、主人公・大山雄大の自身のあり方を見据える物語です。——などというと、堅苦しい話と思われるかもしれませんが、そんなことはまったくありません。
おりしもSMAPの新曲の中で、「どうせバカなら元気なバカが良い」という詞が出てきますが、主人公・大山雄大は「バカはバカでも立派なバカ」です。でもそんな彼だからこそ、思考に囚われて動きのとれない人たちの肩の力を抜くこともあるのでは? と思うのです。
今作の登場人物と同じく、毎日を生真面目に誠実に頑張っている、だからこそ少しばかり、肩や足に重みを感じている皆さまにぜひともお読みいただきたいのです。そして読後、少しでもその重みが軽く感じられるようになれば良いなと、ただひたすらに願っております。
なお、今作は完結したひとつの物語ではありますが、大山が消防士をつづけている由縁ともなる前作『鎮火報』(九月に講談社ノベルズ版も刊行されます)からお読みいただけると幸甚です。
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