Cyndiさんのレビュー一覧
投稿者:Cyndi
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紙の本ゲームの達人 新書判 上
2002/10/26 16:02
「少年ジェミーの冒険」そんな簡単な言葉では片付けられない
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19世紀の後半のスコットランド。「一攫千金」を狙う冒険者の一人となったジェミー。彼の母親を除き、家族は決して心から応援していなかった。でもジェミーは自分を試したかった。そして遥か遠い南アフリカを目指した。
文面から、あまり力強い「男」のイメージは受けなかったジェミー。そんな彼を何がそれほど動かしたのか? 挫折して故郷にも帰るにも帰れず、当初の目標とは違う道を歩くのではないだろうか? そんな予想はあっさりと覆された。なぜ? 彼のどこにこれほどの力と情熱が? 何度もそう思った。あくまでも純粋で疑うことを知らず、真っ直ぐな、心優しい、しかしすぐにはあきらめない頑固な一面も垣間見せながら、ぐいぐいと彼のペースに引き込まれていく。恐ろしいほどの精神力と生真面目さで最初の仕事を奇跡的ものやり遂げた彼を待っていたものは…。
途中、あまりにも辛くて読み進むのが苦しい場面もあった。しかし、それは絶対不可欠な場面だった。そして後に「復習の鬼」となった彼は、さらに以前にも増して厳しい過酷な冒険に出発する。「死んで元々」…、そう決心すると彼は、想像を絶する奇跡を起こしたのだった。上巻では最もハラハラするシーンかも知れない。こんな早い時期にもうクライマックスが? この後がつまらなくなるのでは? そんな心配は無用。その後はさらに目が離せないことが次々と起こっていく。
プロローグで登場したケイトも途中から登場する。彼女の出生、幼少時代の体験、学生生活…、全てにおいて他人とは違っている。そして彼女の人柄に魅了されるだろう。その後どんな場面にも、何か事件がある時は彼女が糸を引いているのである。欲しいと思ったものは必ず手に入れる、そんな力あふれるケイトに私は尊敬と憧れさえ抱いた。
ケイトの人生を左右する出来事が、またさらなる喜びと悲しみを生み出すきっかけとなっていく。そしてそれは常に意外で皮肉な結果へ…(後は下巻を参照)。
「復讐」から始まった、一族の激しく美しく忌まわしい歴史を堪能できるだろう。そして絶対途中でやめることは不可能だろう。
紙の本太陽の王ラムセス 1
2002/02/24 23:39
ラムセス、まさに魅力あふれる光の子
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エジプト史、ラムセスについての知識・興味のある人には勿論楽しめますが、特に予備知識がなくても全く問題なし! むしろ何も知らずに読んだ方が、よりドキドキハラハラ感が楽しめるかも知れない。多くの登場人物に気後れしながらも読み始めると、もう止まらない! 寝る前に読めば、続きが気になり眠れないし、通勤バスの中で読めば乗り過ごし遅刻しそうになりました。
今までこんな魅力あふれる人物のことを知らなかったなんて、本当に勿体無かった。この1冊を読んだ方には是非続きも読んで欲しい。いや、この1冊で終わるなんてとてもできないだろう。
それにしてもこのラムセスと同じ時を過ごした人々が羨ましい、そう思わずにはいられなくなる作品です。
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