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tomoki y.さんのレビュー一覧

投稿者:tomoki y.

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

紙の本カラシニコフ 1

2005/05/16 19:53

世界史上もっとも有名なライフル:この武器は、なにを私たちに語るか?

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

旧ソ連で1人の有能な技術者が開発した自動小銃。そして、それを用いて(または、その模倣品・改造品を用いて)殺しあいを続けてきた旧東側や第三世界の国々。とりわけ、サハラ以南の紛争地域。私が一度だけ、この突撃銃の実物を見る機会があったのも、西アフリカ。内戦の合い間のシエラレオネだった。
アフリカを具体的に知るために有益な本。ページをめくっても、猛獣やサファリやジャングルやピラミッドやヴィクトリア滝やテーブル・マウンテンは、登場しない。この広大な大陸のうち、観光客が行かない/行けない地域の「いま」について、なまの事実に即したリポートを届けてくれる日本語の本は、じつはきわめて少ない。その意味でたいへん貴重。
去る2005年2月13日から、朝日新聞で編集委員・松本仁一氏による「カラシニコフ 第2部」と題する連載が行われた。これに先立って連載された第1部をまとめたのが、本書。
無数の型式のちがいなどについて、マニアなら、えんえんと蘊蓄をかたむけて飽きない、たぶん世界史上もっとも有名なライフル。その開発者と、使用者と、使用による被害者。ルポルタージュは多角的に展開する。上に、あたかも「アフリカについての本」であるかのように紹介したが、本書の視野は、じつはもっとずっと広い。
松本氏のようなジャーナリストが輩出して、私たちが世界を本当の意味で、すこしでもよく理解するための手助けをしてくれたらありがたい。

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紙の本

ネットが役に立たないとき、頼りになる本。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 内容や使い方については、とくに申し上げることはありません。版元やオンライン書店による紹介のとおりです。
 ちょっとお値段が張るので、気軽には買えないと感じる方も多いでしょう。まずは図書館で閲覧なさってから、ぜひとも自宅に備えるべきかどうか、ご判断ください。ほとんどの図書館の辞書・事典類のセクションに備えてあるでしょう。禁帯出(=貸出禁止)に指定されている場合が多いだろうと思います。
 なお、この本を参照するまでもなく、ネットで必要な情報が得られることもあります。たとえば、次のようなサイトが参考になります。
 * 翻訳作品集成
 * 翻訳アンソロジー/雑誌リスト
 * Index to Anthologies (全アンソロジーリスト)
 これら3つはどれも、とても便利なお薦めサイトです。でも、ウェブだけで、なにもかも必要な情報を得ることは、やはり無理です。そういったときこそ、『アンソロジー内容総覧』の出番です。
 日外アソシエーツは、よそにないようなレファレンス類を多数手がけています。地味ですが、頼りになる出版社です。

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紙の本

紙の本世紀のラブレター

2008/12/06 13:35

すらすら読める恋文鑑賞の入門書

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

■どんなラブレターが収録されているか?

「世紀の-」とは、大仰なタイトルをつけたものだ。今世紀最高の、よりすぐりのラブレターを集めた本かと期待して読むと、肩すかしを食わせられるかもしれない。

『世紀のラブレター』は、前世紀、つまり明治から平成にかけての20世紀の日本の有名人、およびその恋人ないし配偶者ないし不倫相手ら、合計40数組の男女について、彼らのあいだで取り交わされた恋文を、それぞれ数通ずつ取りあげて、さわり部分を抜粋・引用し、みじかい解説を添えた本である。雑誌『文藝春秋』2008年1月号掲載の「世紀のラブレター50通」を加筆してまとめた一冊。


■収録されていないものと、すでに余所に収録されているもの

もちろん、オスカー・ワイルドやヴァージニア・ウルフは登場しない。折口信夫や三島由紀夫らの名前もない。したがって、今日の英語圏における、この種のアンソロジーにおいては珍しくない、同性の恋人へのラブレターは、ここには収録されていない。

白洲次郎から正子宛て、芥川龍之介から、のちの妻・文宛て、漱石から妻・鏡子宛て、向田邦子から妻子ある男性N氏宛て、柳原白蓮から年下の学生・宮崎龍介宛て、大橋恭彦から妻・沢村貞子宛て、などの手紙については、すでに余所で紹介されており、かなり知られているから、読書家の方なら、飛ばし読みして1~2時間で読み終えてしまうかもしれない。


■ラブレターに、にじみでるバカっぽさ

「ふさ子さん! ふさ子さんはなぜこんなにいい女体なのですか」――帯広告に印刷するには持ってこいの、スケベおやじの好奇心をそそる、この言葉。他の何人かの評者も引用しておられる、斎藤茂吉の、この文は、やはり笑える。

偉大な文学者の書いた、こうしたバカっぽい字句を目にすると、人類という進化したサルの普遍的な愚かしさを、いまさらながら思い出させられて、一種の解放感と自己肯定の気分を味わうことができる。ちなみに、男女のうち、より真剣で、それゆえ、より愚かしいラブレターを書いているのは、たいてい男のほうだ。偉大な文学者でない私も、そういえば遠いむかしに、誰やら宛てに、何やら長くて恥かしいものを書いた記憶が、脳の片隅にないでもない。


■皇室のラブレター

万葉以来の伝統を受け継ぐ皇室の相聞歌について紹介している第五章は、この方面の教養のない私には有益だった。明治・大正・昭和・今上の天皇・皇后夫妻に、現皇太子夫妻を加えた、計5代にわたる天皇家の人々の恋歌は、著者のいうとおり、意外にのびのびと愛情を言葉にしている。

明治天皇は、生涯に十万首の歌を詠んだそうで、うち約九千首が公開されているそうだ。いっぽう昭和天皇は生涯に一万首近い歌を詠み、うち865首が『おほうなばら』という御集に収録されている由。知らなかった。昭和天皇の一万首も大した数だと思うが、明治天皇は、その10倍。伝統とは、すごいものだな。


■どんな人にオススメの本か?

ラブレターのアンソロジーとしては分量が少なく、ちょっと物足りない。「異色ノンフィクション」とカバー折り返しに印刷されているが、「異色」というほどユニークには見受けられない。また、「ノンフィクション」というほど、単なる紹介の域を超えた独自の読み物になっているとも思われない。けれども、有名人のラブレターをほとんど、もしくはぜんぜん読んだことがない方にとっては、手頃で簡潔で親しみやすい入門書といえるかと思う。

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