グーテンベルクさんのレビュー一覧
投稿者:グーテンベルク
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紙の本文学賞メッタ斬り!
2004/03/27 13:25
賞ほど素敵な商売はない
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この本の中には、袈裟懸けに斬られたり、真っ二つにされたりした文学賞
たちが横たわっている。
だから、ページをめくる時にはそっとめくろう。
ゾンビと化して起き上がられてしまっては、困るから…
本書は各ジャンルの文学賞について、徹底的に論じた一冊である。
各文学賞の成立プロセス、選考委員のシステム、作品の傾向、そして、
それらにまつわるゴシップまでがドカンと詰め込まれている。
「○○賞を××氏が受賞」という、よくある新聞紙面のそっけない記述の
裏側を笑いながら楽しめ、さらにブックガイドとしても有用。
何よりも著者二人が、文学を本当に好きなのがビンビンと伝わってくるの
が嬉しい。
良いと思える作品を強くプッシュし、ダメな小説はビシッと叩くので、
すがすがしいのだ。
うん、これだけ文学への愛ある侍に斬られたのだから、斬られた側も以って
瞑すべしだろうね、合掌。
紙の本使える新書 Knowledge and skill for life 教養インストール編
2004/01/17 02:23
役立つ教養をゲッツ!
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例えるならば、面白くもない若手お笑い芸人の一群と言った感じでは
ないだろうか。
何の話か。
新書の界隈の話である。
各社の参入による点数増加に伴い、単にデカい声でイデオロギーの押し売
りをしているものからトンデモ系まで玉石混交の状態となっているのは、
書店の新書の棚に立てばすぐにわかる。
この中で、一体、何冊の新書が後の世にも読み継がれていくのだろうか、
と思わず慨嘆してしまう。
まるで、つぶやきシローや三瓶、ダンディ坂野とかはなわやテツandトモと
いった、TV画面を一時的に賑わしてすぐに姿を消していく(であろう)
若手の芸人たちを見るが如くだ。
で、ひと山いくらのつまらん芸人を見るよりは、どうせ見るなら、
おもろい奴を見て笑いたいのが人情。
もちろん新書だって、どうせ読むなら好奇心を掻き立てる質の高い新書を
読みたいものじゃないか!
で、本書はコンパクトさを売り物にしている新書のエッセンスをギュッと
抽出してコンパクトにまとめ、面白くて使える教養を探す羅針盤として
お役立ちの一冊。
古典的な名著から最新のものに到るまで目配り、バランス、思い入れ、
どれを取っても抜群のガイド!
こんな水準の高い本がお笑い界にもあれば、笑えないお笑い番組なんざ
見なくて済むのになぁ。
2003/02/06 01:04
能あるタカ派は爪を隠す?
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実にタイムリーな一冊である。
緊迫する国際情勢下、最強の覇権国家であるアメリカ合衆国にあって、
ブッシュ政権の大黒柱であるラムズフェルド国防長官の姿を浮き彫り
にしたのが本書である。
戦争屋、頑強なタカ派といったあたりが、この人物に関する世間一般
での主だったイメージではないだろうか。
しかし、その先入観は読後、大きく覆されるであろう。
フォード政権の主席補佐官、製薬会社のトップなど多様な経歴で
培ったリーダーシップを武器に、巧みな手腕を振るう人物…その
姿は単純な共和党のタカ派政治家などと括れるようなものではない。
彼の主張や活動への賛否はともかく、現在、世界でもっとも動向を
気にすべき人物である事については疑いようがない。
翻訳もこなれており、キーパソンを知る上での最適な入門書として推す。
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