たまさんのレビュー一覧
投稿者:たま
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本覘き小平次
2002/10/05 13:22
どうしようもない嫌悪感
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
京極夏彦待望の新刊は新説幽霊奇譚。待っていた人は多いだろう。
江戸時代、当代切っての幽霊役者と云われた「木幡小平次」。
人間が本来備えているはずの感情・心を無くし、薄暗がりの中にしか存在することができない彼の周りで繰り広げられる生々しい人間たちの葛藤・深謀・憎悪は、読む人に嫌悪感をもたらす。
裏に仕掛けが組み込まれた巡業に出る小平次。
「生きながら死んでいる」
だから「生きているから怖い」のか。
読後の嫌悪感、無常観はこのシリーズの醍醐味と言えるだろう。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |