サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. yo_423さんのレビュー一覧

yo_423さんのレビュー一覧

投稿者:yo_423

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本

500円の先行投資

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は、現在発売されている新車の中から、「買って得するクルマ」60台と「買って損するクルマ」40台を取り上げて評価するもの。見開き2ページで1台の評価って感じで構成されているから、とても読みやすい。

 さて、この本の長所は以下の2つ。1つは、とても率直な評価がされているところ。このテーマのベストセラーっていうと、『間違いだらけのクルマ選び』シリーズを思い出すけれど、評価の率直さや辛らつさでは勝るとも劣らない。この著者のほうが若いぶん、若い読者の価値観には合っているんじゃないだろうか。
 どの業界でもそうだと思うが、取材するメーカーに遠慮もあるから、普通は悪口は書きにくいものだろう。ところがこの本は、「カローラ」だろうが「ヴィッツ」だろうが、実際に乗って悪いと感じたらけなすけなす。で、また、そのけなしかたにも芸があって笑わせてくれる(そのクルマを持ってる人は笑えないと思うけど)。
 もう1つは、クルマを評価するときに結構バランスがとれていること。コンパクトカーからスポーティカーまで、クルマにはそれぞれの用途と性能があるわけで、その辺をきちんと踏まえた上で評価しているんだと思う(ただ、若干「走り屋」系のクルマの評価が甘い)。だから、実用的なクルマが欲しい人から、「走り」にこだわりたい人まで、幅広く役に立つだろう。

 反対に短所は、著者の評価の基準がいまいちよくわからないところ。これは上で述べたバランスのよさと裏腹なんだけれども、著者自身こう言っている。「いいクルマとそうでないクルマの違いを簡単に説明することは、少なくとも私には上手くできない。(中略)運転しやすさや快適さとはなにかときかれたら『えーと……』とつまらざるをえない」。
 そして著者は、いいクルマに乗ればダメなクルマは自ずとわかる、みたいな言い方を何回もするけど、普通の読者はそんなにいろんなクルマに試乗できないし、したいとも思わないだろう。もちろんこの本の売りは「独断と偏見」だし、それでいいんだけれど、読んでいるこちらとしては、どこまで信じていいのかな、と思ってしまう。
 ついでに、著者はしきりと外国産車をほめるんだけど、それってどうなんだろう。著者がけなしている「ヴィッツ」は欧州カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたんじゃなかったっけ?

 とはいえ、基本的に上であげたマイナスは小さなものだ。この本は読んでも楽しいし、バイヤーズガイドとしてもよくできていると思う。少なくとも、クルマみたいな大きい買い物をするときに、これだけの情報が500円で手に入るなら、これはもうかなり割のいい先行投資だろう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本日本の神々と仏 信仰の起源と系譜をたどる宗教民俗学

2002/03/25 19:28

素人による素人のための宗教ガイド

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本は、日本の神道と仏教について、民俗学的な観点からわかりやすく説明するもの。まず、日本人の宗教的な性格について解説したあと、神道、仏教の順にとりあげ、最後に寺社ガイドのようなものをまとめている。

 この本の長所は、問題設定の仕方が身近で、とてもわかりやすいこと。例えば第三章の「日本の神々と神道」の章を見てみよう。節見出しを引用すると、「神に仕える人々/参拝の作法/暮らしの中の神々/『ハレ』と『ケ』」となっている。「古事記、日本書紀の成立事情」とか、「平田篤胤の思想」とか、「国家神道の歴史的役割」みたいなものは一切書かれていない。

 そもそも、そういう思想的なややこしいことはおいといて、ふだん何気なく拝んでいる神様とか、仏様についてちょっと知っておこうというのがこの本なのだ。「七福神ってどういう神様?」とか、「節分のもともとの意味」とか、「どの神社に、どんなご利益があるか」(笑)なんてことは、普通知らないけど、ちょっと知っておきたいと思うだろう。そういう面白そうなトピックがこの本には詰まっている。私も、「本来おみくじを枝に結ぶのは、その神社の神が『縁結びの神』だった場合だけ」などという記述を読んで、へえーと感心させられた。

 このような長所は、おそらくこの本の著者が(宗教学的に)素人であることからくるものだと思う。もちろん監修の岩井宏實さんは専門の学者だけれども、巻末の著作権表記を見ると「Banyu-sha」となっていて、これってたしか編集プロダクションだ。素人が書いているからこそ、素人が知りたいこと、素人が面白いと思うことについて、よくポイントが押さえられているのだろう。

 と同時に、この本の欠点もそこにある。記述が平板で、食い足りない部分があるのだ。特に、民俗学者から聞き書きをしたせいか、民間信仰の説明は丁寧でわかりやすい反面、宗教学的な面には弱い。例えば、仏教の様々な宗派について簡単に紹介する部分で、「天台宗の密教を台密という」、「真言密教を東密という」という記述が出てくるが、その両者がどう違うのかはまったく触れられない。この本ではいろいろな神仏や宗派が取り上げられているが、それぞれの宗派の持つ世界観や、それがどう広まっていったのか(広まらなかったのか)について、もう少し詳しく述べてほしかった。

 とはいえ、これはないものねだりかもしれない。実際この本は読んでいてとても面白く、限りあるスペースで、民間信仰のバックグラウンドまでよく盛り込んである。これより上のレベルを求める人は、文句を言わないで別の本を買えばいい。

 現在、『陰陽師』などのブームで、民俗学的なものに注目が集まっている。そんな中で、この本は、日本の宗教を知るための手軽なガイドブックだと言える。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2 件中 1 件~ 2 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。