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芦部憲法

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　芦部先生の有名な憲法の学問書。学問書というと堅苦しいが、初心者が読んでも理解できる容易な内容になっている。憲法の本というのは他の学問の本と違って胡散臭い本が多い。学者の先生だけではなくて、憲法について学者ほどの知識のない政治家やジャーナリストがうわべだけの憲法の知識しかないのに自分の偉さを誇示するため、博学さを誇示するために憲法の本を出してみるという風潮があるからなのか、内容を伴っていない本が氾濫している。

　その点この本は簡潔かつ明快、文章量も少なく読みやすく、あまりにもあっさりと読めるため普通の人はとまどうかもしれないが、司法試験は憲法に関してはこの１冊を読むだけでいいと言われるほどの名著である。

　芦部先生が亡くなって６月で３年になる。先生が亡くなってからガイドラインや靖国参拝等憲法問題が多数発生しているが、そういった論点についてもしっかりカバーされているところをみると、この本が時代の変化とともに消滅することはないだろう。