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k/aさんのレビュー一覧

投稿者:k/a

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紙の本

「自由」を思考すること

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この書は、極めて明快である。と同時に、読者に対して「思考」への参加を呼びかけるフックの役割をも果たしてくれている。
筆者の論点は「性という問題」の考察とはとりもなおさずメディアの問題であるということであり、「性」を本質論的に考察しようとも、社会構築的に考察しようとも、常に媒介としてのメディアへの考察を前提にせざるをえず、例えばそのメディアとは、統計的な報告であったり、アダルトビデオであったり、裁判であったりする。著者は極めて明快かつ簡潔にメディア分析を実践すると同時に、そのようなメディアという条件から導出される「性の問題」を再構成している。
更に、フーコーを叩き台に、「自由」という問題が、常に「不自由」とのカップリングでしか思考しえないというアポリアに対し、極めて真摯に分析を繰り広げ、「性の問題」の根幹を条件付けている。
その広範囲にわたる試みの全てに対して肯定的同意を下せるか否かは、読者によって分かれるであろうが、このように奔放かつ根源的な思考を展開しうるという著者の「思考の自由」に対する確信と実践に対して読者は魅了されざるをえない。
同時に、ジェンダー論の入門書としてチェックすべき一冊であることも付記しておく。

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紙の本

困惑

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文脈による規定から逃れることが出来るなどという幻想に溺れないためには、少なくともその書が状況に与えたであろう批評性と、現在、そしてこれからの再読の際に生じるであろう齟齬の両極をしっかりと見定める必要がある。
「フェミニズム」という運動において、ポルノグラフィーというメディアの問題は常に両義的なものとならざるをえない。なぜならば、「ポルノグラフィー」について語ることが、取りも直さず「ポルノグラフィー」を定義することに他ならないからだ。つまり、「ポルノ」か否かという不毛な価値判断の問題は、同時に表現の自由という鬼子の問題と表裏一体であり、であるが故に、常に「ポルノグラフィー」に対する価値判断を巡る「フェミニズム」の立場は極めて男根主義的にならざるをえないか、なすすべがないかの二択間での信仰告白へと収まってしまう。
ドウォーキンスは、「ポルノグラフィー」と「男性」の「女性」蔑視を極めて短絡的に結び付けすぎではないだろうか? むしろ、「ポルノ」を、「男性」のものと決定するという前提にこそ、極めて短絡的なイデオロギーが存在し、そのようなイデオロギーの構成にこそ分析を向かわせる事がバトラー以降の文脈においては必要であろう。更に言えば、この種の本こそが「フェミニズム」と「マッチョイズム」の安易なリンクを産む恐れがあり、「フェミニズム」への誤解を助長する可能性がある。
とはいえ、史料価値として「批判的」に受容するには極めて典型的な書であり、「フェミニズム」について思考する際には(逆に)必読の書であることを付け加えておく。

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