つるさんのレビュー一覧
投稿者:つる
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紙の本道ありき 青春編 改版
2006/03/27 19:40
虚無から立ち上がって
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
人は誰しも心が荒れてしまうときがあると思う。筆者の場合は敗戦と病気。それが心までむしばんでしまった。一時は自殺まで考える。しかし、やはり筆者に魅力があったのだろうか、結局は優しい人に救われて、どうにか生き続けるのである。
「真剣に生きようとしない人を見るのは寂しいのです」そういって懸命に筆者を生への道に引き戻そうとする幼なじみを、筆者はいつしか深く愛するようになる。
筆者は人間には二通りあるという。なぜ生きるのかを考えることなく生きていける人間と、生きる意味が得られないと生きられない人間と。もしあなたが多少なりとも後者なら、読む価値のある本だと思う。
誰かが、若い頃に「これは私のために書かれた」と思うような一冊に出会わなかった人間は不幸だ、と言っていたが、私にとってはそのような一冊だった。
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