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小国綾子さんのレビュー一覧

投稿者:小国綾子

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著者コメント

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この本は、元自傷者でもある新聞記者の私が、リストカットをする中高生や若者を取材しつつ、自分自身の自傷していた過去とも向き合って書いた本です。
「生きることでどうにか生きていけるなら、今は切ったっていいよ」という思いを込めて書きました。

私は38歳でリストカットの取材を始めるまで、ずっとこのテーマを避けてきました。「元自傷者が冷静に取材できるわけないよ」と自信もなかったし、他人事のような記事なら書きたくない、という思いもあったからです。
でも、私が思っていた以上に特に中高生の女の子の間でリストカットが増えていることや、リストカットが「他人の目を引きたいだけ」とか「自殺の軽いやつ」などと誤解されている現実を知ったとき、「逃げずに取材してみよう」とようやく一歩を踏み出すことができました。

中学生や高校生だけでなく20代、30代の人、リストカットをする子の親からも話を聞きました。リストカットをする人の多くが「生きるためにリストカットしている」といいました。自傷の理由は人によってそれぞれに違います。
極度のストレスや緊張を和らげるため。
自分がバラバラになりそうな時、それを食い止めるため。
自分を罰するため。
言葉にならない怒りや悲しみをせいいっぱい表現するため。
眠れない夜に眠れるように。
噴き出しそうな感情を癒やすため。
血を見て、自分がまだ生きていると確認するため。
自分を認めてあげるため。
血を見て、孤独や空虚感をうめるため。

学校でも家庭でもいつもニコニコと笑っていて、「明るくて元気な子」と誰もが信じているような普通の子どもたちが、眠れない夜にこっそりと自分を傷つけていました。学校でのいじめに悩んでいる子や、親から虐待を受けてきた子もとても多かったです。

正直な話、いつも冷静に取材できたわけではありません。
精神安定剤や睡眠薬を大量に飲んだ子からの電話に振り回されたこともあれば、自傷していた高校時代の私にそっくりな女の子に入れ込んで私のほうが心のバランスを崩しかけたり、取材中に私のほうが打ち明け話をして泣いてしまったことすらありました。
でも、元自傷者の私に何ができるんだろう、と壁にぶつかるたび、背中を押してくれたのは、取材相手のリストカットする少女たちでした。
この本は、リストカットする子どもたちのお陰で完成しました。
リストカットは言葉にならない魂の声、心の叫びです。その声なき声に、どうか耳を傾けてください。

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