りんご酢さんのレビュー一覧
投稿者：りんご酢
紙の本神様のボート
2002/07/23 12:21
放浪の母娘
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葉子は別れた男を愛し続け、再開する日を夢見て、娘の草子と放浪生活を送っている。物分りのいい娘を気取って、葉子が引っ越す度に付いていってた草子だが、現実から目を遠ざけた生活にはあきあきしていた。
ある意味、葉子のこの狂気に満ちた生活はうらやましいとも言える。一人の愛した男を待ちつづけ、愛娘と二人だけの世界で、自由気ままな生活ができるのだから。日本では、結婚というのは当人同士というより、その家族、親戚までも巻き込んでの血のつながりみたいな捉え方をしてるから、正直言ってわずらわしいことが多いのだ。
だから、草子の立場にしたらえらい迷惑かもしれないが、葉子にしてみれば、こんなに精神的自由を求められるのは贅沢の限りではなかろうか？
紙の本過熟の実
2002/07/17 10:18
恋せよ乙女！
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主人公希代子は雑誌の編集者で、赤川さんらしい、ファンが期待する人物像だ。仕事ができて、フェアで、自立心が高く、男気のあるさっぱりした性格。しかし、いざ自分の恋愛になると、いじらしいほど女の子になってしまう。
編集長の不倫、それに続く心中未遂や、従妹の恋人と希代子が三角関係に陥ったり、希代子に迫るストーカーとか、ミステリー要素の多い読み応えあるラブストーリー。
紙の本かそけき音の
2002/07/14 20:29
様々なラブストーリー
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題名の「かそけき」というのを辞書で調べたら「幽き」と書いて「ほのかな、かすかな」という意味だった。３３歳の省子は５３歳の男とつきあっていながら、１９歳の青年にも心ときめかせていた。５３歳の男の愛は寛容であると安心していたが、世間一般の男と変わらなかった。省子は人に言えない左肢にハンディを持っていた。その左肢の激痛を骨の悲鳴を「かそけき音の」としたのか？ はたまた５３歳の男性の若かりし頃をその青年に重ねて、年月の流れを「かそけき音の」と表現したのか？ 微妙なラブストーリーである。
他にも７編の短編があり、ミステリー仕立てだったり、それぞれ考えさせられるラブストーリーである。
紙の本晩夏
2002/07/13 19:36
爽やかカップル
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初老の紳士、沢柳は余生を湖畔の静かなロッジに避暑に来ていた。ロッジのオーナーである継母にこきつかわれていた仁美はメイドから朝食作り、ベッドメイク、掃除となんでもそつなくこなしロッジにはなくてはならない存在だった。
そこへ人気急上昇中の俳優がプライベートに避暑に来て、仁美と恋に落ちてしまった。二人を暖かい目で見つめる老紳士。しかし、その俳優を追って有名女優がロッジに押しかけてきて、マスコミも彼女の後を追ってきて大騒ぎになる。ロッジに集まった様々な人間関係が二人を追い詰めて行く。
果たして二人の恋は成就するのか？ でもさすが赤川先生、ちょっぴり悲しいけど、避暑地の高原のような爽やかなエンディングが控えてます。
2002/07/06 21:33
種ちゃん最高！
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実果は高田君の弟の隆司にキスされたことを未だ引きずってドギマギしていた。相変わらずの実果の優柔不断さは全くイライラするが、性格が正反対の妹実果は小気味いいほど大胆不敵で気持ちいい。隆司に詰め寄って白状させたかと思うと、隆司に自分からキスしてしまう。「あんたが好きなのはこの私のはずでしょ？ （キス）良かった？」なんて言いきっちゃうんだから。これからの女はこうでなきゃだめよ！ こういう男気のある女こそ２１世紀に生き残る女性なのだ！
うじうじ「どうせ自分なんて…」なんて引っ込み思案しているような女の子がいたら、勇気を与えてくれるんではないだろうか？ でも、はっきり言えることは種ちゃんはそれなりに可愛いからできたことかもしれない。見習うためにはまず自分を磨かないと駄目かもしれないけど。
2002/07/06 21:16
実果！しゃっきりしなさい！
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隆司は種がスケートに誘ってくれたのが、美果の受験勉強の妨げになっていた隆司を連れ出すためと知り、ショックを受ける。それも尾行していたのがバレたからといって、実果がそんなに責任を感じることはないのに、慰めに行ってしまう。ののしっても、ぶってもいいと目をつぶって実果が顔を突き出すと…隆司は実果にキスしてしまった！ってところで前巻は終わってる。
案の定実果は放心状態、しかもそのことで隆司に脅迫されることに…実果は人がいいって言うよりお人よし過ぎます。そんなことで高田君に振られるのを恐れてるんなら、そんな恋あきらめなさい！って言いたいわ。また、なんで隆司をそんなにつけあがらせておくわけ？ キスされたの嫌じゃなかったわけなのね、好きな高田君の弟だから？ なんかむかむかしてなりません。
2002/07/06 21:00
兄弟姉妹はいいもんさ！
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主人公の実果は合コンで知り合った高田君とつきあってる。高田君の弟の隆司は屈折していて、ブラザーコンプレックスである。しかも実果のことも憎からず思っている一方で、実果の妹の種を好きだったりする。
そんな隆司の言葉を真に受けて、理解ある風をふるまったり、大げさに心配する母親がおもしろいというか可哀想かも？
一方実果の妹の種も相当なシスターコンプレックスで、かまってほしくて、実果の受験勉強の邪魔ばかりしてしまう。そんな中、隆司と種が初デートをすることになった。隆司の恋焦がれる気持ちと異なり、種のほうは単なる好奇心に近いような感じだが。実果は心配で高田君と二人の尾行作戦開始。なんだかんだ言っても、二人もそれなりにブラコン、シスコンではないのだろうか？
2002/07/03 22:32
ピュアなラブストーリー
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このシリーズ３作目だが、相変わらず絵が過激である。表紙の絵に惑わされないようにしてほしい。ジャンプノベルズ版だから男性読者にサービスしているのかもしれないが、全く関係のない、じれったいほど純な二人の恋愛ストーリーなのだ。
かれんは両親がロンドン転勤、勝利は父親が九州転勤で二人は同じ屋根の下に暮らすようになる。かれんは５才年上の従姉なのだが、勝利はすぐに恋に落ちてしまう。
今回は世話焼きおばさんがかれんへ見合い話を勧めたり、勝利の方も同じ大学のクラスメートで部活のマネージャーでもある星野りつ子に猛接近されたりで、今回も二人の進展がみられない。
2002/07/03 10:33
純情可憐！
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表紙のイラストや挿絵にドキッとさせられるが、いたって純情なラブストーリー。
主人公、和泉勝利は父と二人暮らしだったが、父の九州転勤で、時を同じくおば夫婦がロンドン転勤で残ったいとこたちのいる花村家に同居することになった。久々に再開したかれんは５歳年上で、勝利は美しい変貌に惹かれていく。
前作で、かれんは自分の出生の秘密を勝利だけには打ち明けた。お互いの気持ちが通じ、勝利はキスまででこぎつけた。が、今回さほど進展は無く、かれんが酔って帰ってきた夜、下着一枚になって無防備にも抱きついてきたことで、自分は男として見てくれていないじゃないかと悩むはめに。そんなチャンスはあったものの、文字通り“純情可憐な”かれんなので、勝利はその先を無理強いしたりしない。更に親戚の世話焼きおばさんが突然滞在することになり、かれんに見合いを勧めたりと、勝利の心中は穏やかになることはない。
2002/06/26 15:50
お待ちどうさま！
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進展がないな〜って「恋カタ」から離れてしまっている読者の方々、大変長らくお待たせしました。高田君と実果がようやくめでたく結ばれたんですよ！ 苦節２０巻目にしてやっとこさって感じです。これを機に戻ってきませんか？
クリスマスのデートの服を笹錦さんに見てもらう実果だけど、それをことごとくけなされて…
いつの間にこんなに仲良くなったんだろう？って気もしないでもないですが。
今や、笹錦さんの登場しない「恋カタ」なんて、クリープを入れないコーヒー（古くてすみません）です。
紙の本ホテルカクタス
2002/07/19 18:41
挿絵がいい！
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古いくたびれたアパートに何故か「ホテルカクタス」という名前が付いていた。その住人たち、運動オタクの「きゅうり」、公務員の「２」、無職の「帽子」の３人の奇妙な交流を描いている。特に盛り上がるところはなく、かといってしんみり伝わってくるわけでもなく、暇つぶしに読むような大人の寓話みたいな感じです。
最後まで読み進めたのは佐々木敦子さんの挿絵のすばらしさです。話の中の「ホテルカクタス」を描いたものではないだろうが、そのしっくりとした色使いの室内画が妙に印象深かった。他の作品を見てみたいと切に思った。
紙の本こちら葛飾区亀有公園前派出所 １３０
2002/06/24 16:03
たいやきのしっぽ
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飛鷹右京の双子の妹でお笑い芸人にあこがれる美人女子高生、日光月光が初登場する。そのせいか、警察署内で１日１発ギャグが流行り、あの中川様までがあそこまで…必見です。
ラジコン特殊刑事も初登場、相変わらずのハチャメチャぶりが全開します。
一番共感を得たのは「がんばれたいやきくん」の両さんのたいやき論です。「あんこは全体的に少なめで尻尾にはあんこは入れずかりっとしてる」ってとこです。そうです、尻尾まであんこがぎっしり、なんて邪道もいいとこですもん。たこやき屋のコンビにまた会えたのもうれしい。
2002/06/24 15:14
恋愛の教科書
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恋愛に関するエッセイ集。さすが恋愛小説の人気作家だけに「いい得て名」の数々。
高校の保健体育の教材として使ってみたらどうだろう？ 体の関係だけが先行しすぎてはいないだろうか？ 公共の場でいちゃつく若年カップル、援助交際、できちゃった結婚とかがはびこる現在、相手と自分を大事にするためにもこういった「恋の教科書」は必要不可欠だと思う。
