ぼーのさんのレビュー一覧
投稿者:ぼーの
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紙の本最終兵器彼女 7
2002/06/21 04:26
傑作です。普通の高校生の普通じゃないラブストーリー。感受性の強い人にはちょっとハードかも。
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優れた作品というものは、読み手の感覚に直に入ってくるものだといつも思うのですが、この作品はまさにそうだと思います。 設定の不明瞭な点はどこか物足りなくも見えますが、その曖昧さが読み手に好きに色づけさせてくれるので、たぶん読む人によってそれぞれ別の捉え方ができるように思います。読み手がいて初めて物語が成立するかのような不思議な感覚があり(作者の意図ではないのかも)、入り込めた分重い展開がきつかったです。
平凡な日常を生きてきた主人公たちが、突然訳も分からないまま全てを失っていく。その限られた時間の中で、せいいっぱい大切なものを探しつかもうとする想いがすごくせつないです。
色々考えさせられるところも多い反面、恋に不器用なふたりのやりとりはちょっと笑えるところもあって、読み終わってみるとそんな何気ないシーンがなぜか心に残ります。
Hなところもけっこうあるし、万人向きではないのかもしれないけど、傑作だと思います。
紙の本籠の鳥
2002/08/13 12:31
大人の読み手も満足させられるハイレベルな短編集
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なんとなく目について買ったのですが、初期の作品集とは思えない完成度です。散りばめられた詩や風景からも作者の見識の高さが容易にうかがえます。異なった設定の5つの物語が収められており、自分の生き方を貫こうとするほど人を傷つけてしまう画家や、別れを予感しながら寂しげな女に惹かれていくギター弾き、コンプレックスや心の傷を乗り越えて周りの人の優しさに気づいていく思春期の物語などが描かれています。どの作品も作者の真摯な生きる姿勢と、人間への暖かい眼差しが感じられて、けしてハッピーエンドとはいえない結末にも、どこか希望のある余韻があります。こういう文学作品に劣らないハイレベルな作品に出会うと、マンガの奥深さを再確認させられます。
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