三四郎さんのレビュー一覧
投稿者:三四郎
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2002/08/23 10:51
地理政治学と外交戦略
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地政学とは,地球全体を常に一つの単位と観て,その動向をリアル・タイムでつかみ,そこから現在の政策に必要な判断の材料を引きだそうとする学問であり,高度な政策科学の一種である.誤解されがちな観念論でも宿命論でも決してない.国際政治学が国際関係を静態モデルの連続として,その間の変化を細かく捉えようとするのに対して,地政学は国際関係を動態力学的な見地から捉えるものである.
必然的に備わる地理的な環境を外交事項に最大限に活かすには,地政学的な要素を抜きに議論できない.例えば,海洋勢力(シ−・パワ−),大陸勢力(ランド・パワ−)とは何か? 大陸国家,海洋国家,半島国家の探るべき外交戦略とは何か? 著書を精読するとその国々が持つアイデンティティ(自己規定するもの)や風土,民族の性格や気質などまでもが行間に読み取ることが出来る.歴史や地理の現実を直視して科学的に捉え,戦略基礎を引き出すための入門書として著書は興味深い.
2002/08/21 12:46
宇宙に魅せられた古今東西の詩歌
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「宇」とは,時間を表わし,「宙」とは空間を表わす.時間と空間の雄大さ,荘厳さをことばで表現した詩歌の数々.宇宙の神秘は,時代を問わず語られる.古(いにしえ)の人々は,宇宙に魅せられてやまぬ心を歌に刻んだ.そこからは,想像を超える壮大で豊かな感性が伺い知れる.万葉秀歌,おもろ,江戸俳諧,現代詩まで,さらにはインド,ギリシア,中国へと古今東西の詩歌とその背景が描かれる. 庶民から観た宇宙の至言の数々が分かり易く解説されており,読者をうならせる.
著者の海部宣男氏は自身が天文学者(現在,国立天文台台長)であり,ハワイの世界最大望遠鏡「すばる」の建設を手がけられた.研究者としての審美眼の深さと詩歌に描かれた宇宙の接点が直感的に感じられる.
紙の本これからの「勝ち組」「負け組」 逆風の時代に成功する条件
2002/08/21 11:33
野心が人を育てる
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この著者である落合信彦氏自身が歩んできた軌跡と経験から綴られているので言葉に説得力がある.これを読めば,読者自身の日々の研鑽がどこまでスマ−トであるか分かるだろう.例えば,二十一世紀の勝ち組になる条件として,格付けAAAからaまで分類した観察眼は興味深い.ちなみに格付けAAAなる人物とは,「高度な専門能力を持ち,それによって人を雇えるだけのカネを稼ぎだせる人」と記す.
独立を達成するための二十のヒントでは,意識改革 を具体的な例を上げて分かり易く説いている.言い換えれば,勝ち組の人達の持つ生き生きした表情の裏側には,このようなスマ−トな生活スタイルが隠されているということか.野心が人を育てる,そのセンスを培うための本として,この一冊は相応しい.
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