サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 赤い灯さんのレビュー一覧

赤い灯さんのレビュー一覧

投稿者:赤い灯

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本大江戸調査網

2007/01/22 19:39

本当の江戸歩きをしたいなら

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ものを調べたり、知る楽しさは、一方では苦しさでもあるという事を、司書である筆者は充分わかった上で、その苦しさをいくらか軽減する手だてを示しつつ、より深い楽しみへの道を指南してくれているのが本書である。本当の江戸歩きをしたい人は座右や鞄の中に携帯すべき一書であろう。
本書の中でも紹介されているが、たとえば「初鰹」の由来を調べたければ、辞書類では不充分であり、『日本随筆索引』(正続2冊)を古書肆で購い、羅列された随筆類を『日本随筆大成』などでに当たる以外になかった。簡単にみえてかなり苦痛を伴う作業であると、やった事のある人はわかるだろう。満足の行く文献がヒットする方が少ない。調べる事は苦しみであってもよいのかもしれないが、今後「衣食住」などの基本的な事項については、本書がしかるべき書物・文献を引き出す「道しるべ」となってくれて、江戸歩きを随分し易くしてくれるに違いない。
挙げられた項目のレファレンスブックについては常に新しいものを各人が追加記入して使用したい。また、『守貞謾稿』は岩波文庫本の方が利用しやすいし、『武江年表』はちくま学芸文庫本、『嬉遊笑覧』も岩波文庫本(4冊まで刊)の方が利用しやすい。人名辞書類なども、『国書人名辞典』(岩波書店)などもう少し専門的なものを紹介してほしかった。今後増補改訂を続けて利用の便を増されん事を願う。
最後に苦言を一つ。本書の題名は『大江戸捜査網』を借りた命名であろうが、実際に合ったものとはいえない。編集子のしわざかと愚考するが、改訂される際は改題される事をお薦めする。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

古書店主の力

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

和本についての不明な事項、たとえば古書目録掲載の和本に「ノドに傷あり」と書かれている場合、私はまず、中野三敏『書誌学談義 江戸の板本』(岩波書店、平成1995年刊)を繙く。『日本古典籍書誌学辞典』(岩波書店、平成1999年刊)で確かめる必要もない程である。近世文学研究の碩学にして愛書家の著者ならではの著作であり、さらに和本周辺について同氏には『江戸文化評判記』(中公新書、1992年刊)・『本道楽』(講談社、2003年刊)等も備わる。
『和本入門』の著者である古書肆誠心堂書店主橋口氏は、当然以上の事を承知の上で本書を著している。「入門」という題名で分かるように、好事家目当ての珍本・稀覯本についてや「お宝」話ではない。初級・中級・上級と本書を読み進むうちに、自然と和本を観る目が形作られ、古書展や古書店に足を向け、和本を手にしたくなるような仕掛けになっていた事に気付かされる。これこそが本書の主眼であるが、一方で平明な文章で書かれていながら、書名・人名などに施されたルビ一つをとっても、並の研究者なら尻込みしそうである。江戸時代の人名は本名・号・字など多く、また読み方に悩まされる。蜀山人大田南畝の本名は「覃」であるが、「たん」なのか「ふかし」なのか。書名も同様である。単に読みやすさだけのルビでない事は、江戸時代に関心が多少はある者には自明であろう。このような点からも「古書店主の豪腕」の何たるかを知る事ができる。毎日、和本の墨の匂いの中で過ごされている人ならではの、和紙・和本のもつ強さと優しさが味わえる好著である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本日本近世人名辞典

2006/01/13 11:54

大冊なれど

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『国史大辞典』より、近世の人物記事のみを一冊にした人名辞典であるが、江戸時代の主要な人物を鳥瞰できるのはありがたい。すでに『国史大辞典』を購入している向きにはあらためて購う必要はないだろうが、この時代に興味を持つ者には便利であり、専門の執筆者の研究成果も味わい深い。大冊であるが、定価2万円も妥当であろう。ただし、多くの記事が、大辞典当時に活躍していた研究家の執筆であり、物故された方も多く、参考文献なども主要なもので追加されていないものも多い。思いつくままに数例を示せば、山岡浚明では中野三敏氏の詳細な年譜稿が示されず、狩谷掖斎では梅谷文夫氏の年譜、加舎白雄では矢羽勝幸氏の白雄伝、巻菱湖では春名好重氏の菱湖伝、葛飾北斎では永田生慈氏の年譜など、各人物の今後とも重要になるであろう伝記的研究が触れられていないのは残念である。改訂増補を10年単位くらいで行っていただき参考文献だけでも更新される事を願いたい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

3 件中 1 件~ 3 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。