hinaさんのレビュー一覧
投稿者:hina
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紙の本七王国の玉座 上
2002/12/05 22:04
これは只の流行りものファンタジーじゃない!
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ファンタジーは「指輪物語」が好きで何度も読み返して来ましたが、
「七王国の玉座」は、代表的なファンタジーのひとつと言っていいかも知れない、と思いました。
「指輪物語」の深遠さと対照で、娯楽色が強くてもう少しハードな感じ。でも面白さはピカ一です。
澄んだ空気や氷の冷たさ、岩の硬さ、街の猥雑が肌に感じられるところは、指輪物語の真の暗闇と、大河の広がりを感じさせる描写のように、筆者のしっかりとした筆力が感じられます。
最初の方は、指輪のようにちょっと大変でしたが、人物紹介的部分が始まるとがぜん面白い!
下巻の中盤に入ると、もう続きが読みたくてページをめくるのがもどかしかった。
家族で奪い合いになって困りました。
みんなで読んで、話し合いましたが、今の時代って色々たいへんですよね。
でも、この物語を読んでいると、ウソではなくて逆境の中にいて、どんどん輝いて行くアリアなどに、人が本来自分の力で、自分に合った世界で生きられた時に、その人の幸せがあるという感じがして、勇気が湧いて嬉しくなってしまいます。
指輪…は、静かな生命の力強さ、虚飾と真実のかなしみを伝えてくれますが、七王国は、動的な中で、逞しく生き抜いて行く人物に、同じような人間に対する筆者の洞察・機知を感じます。
お約束的戦闘シーンなどもあるのですが、ベタな部分はなく…というより、
「あっ、やられた!」と思えて嬉しくなる箇所があったりします。
ちょっとトルキーンはずば抜けているので、比べられない部分もありますが、トルキーンの焼き直しや、追随物的生温さとは一線を画してしていて、ビビットで現代的、しかもファンタジーの世界部分が現実以上に魅力的に心を呼んで、ひたすら続巻が待ち遠しいです!
この本が、今ハリーや指輪でファンタジーはやってるから出してみました、という本だと思っている方がもしいたら、絶対違います。滅茶苦茶新しくて面白いので、ぜひ読んでみて下さい!
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