金山鉋さんのレビュー一覧
投稿者:金山鉋
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紙の本懐かしいあなたへ
2003/01/08 00:52
もう一度読み返したくなる不可思議な世界
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ひんやりとした、ユーモラスな、不可解な。不思議な話の宝箱。
ちょっとよく分からなかったな…。
もう一度読んでみよう。
何度も味わいたくなる不思議さです。何度も、です。
ですから、まだ味わっていないあなたは、是非。
紙の本誰も死なない世界
2002/12/30 20:37
衝撃的科学技術!
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主人公の内面に後々まで影響を与える冒頭と、頭の中に描きやすい科学技術の描写は見事だ。特に冒頭部分は非常にリアリティーがあり、ここだけでひとつの物語として読むことができる。
しかしこの本のメインテーマは、「クライオニクス」(死後の体を冷凍保存し、未来には完成しているであろう科学技術で蘇生、冷凍の眠りから覚め半永久的に老いず、死なない世界に生きよう、という試み)である。
信じる、信じない、賛成、反対、主義如何にかかわらず、読んでみるべき一冊だ。
「誰も死なない世界」ってどんなだろう?と思ったあなたには、特にお勧めである。
紙の本夏の庭 The friends
2003/01/08 01:09
もう一度夏を過ごせたら
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自ら進んで「感動モノ」を読むことは少ない。
本書も友達に進められて、いつものように『だけど感動モノは云々…』と前置きしながら読んだものだ。
少年とおじいさん。聞いただけで話の中身は想像がついてしまう。善良なおじいさんと、やっぱり純真な子供たちの交流。なんか退屈そうだ。
ところがところが…。
死にそうなおじいさんを観察する?
いつ死ぬか? こっそり?
予想外の冒頭に驚きつつ、一気に読んでしまったのは、退屈が嫌いな子供たちと、退屈が嫌いなおじいさんが、私の退屈心を拭い去ってくれることを予感したからなのかもしれない。
紙の本行人 改版
2002/12/30 20:23
絶対に分からない他人の内面
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他人の内面。本当の気持ち。これは絶対に分からない。
しかし知りたい。そこで本人に聞く。今度はそれが本当なのかどうか不安になる。
疑い出せば抜け出せない。迷路のようだ。
この迷路に迷い込んでしまったのがこの小説の一郎である。彼は脇役のようであり主人公のようにも思える。弟・二郎の目を通して描かれる迷路の中の彼は、家族を疑い、妻を疑う。
分からないが推し量ることは出来る。だから辛いのかもしれない。
疑うより、盲信するほうが楽だ。
盲信していることすら疑ってみない一郎の家族と、兄を迷路の中に見つけることは出来たが、手を引いて連れ出すことの出来ない二郎の、一郎との間にある壁、或いは溝は、あなたと他人との壁、溝と、ひょっとしたら似ているのかもしれない。
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