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ネズミさんのレビュー一覧

投稿者:ネズミ

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紙の本他人の顔

2003/01/07 22:34

どこかで聞いた「他人の顔」という題名

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 帯にサスペンス…と謳ってあるので、推理小説の類かと思った。整形手術で顔を変えたら、それが強盗殺人犯のものだったという映画で見たような内容も、ありふれていて面白みはない。ただ、安部公房の「他人の顔」と同じ題名であるという点に、若干の興味をそそられたのである。
 ところが、読み始めてみると、「どうせたいしたものではあるまい」という先入観は、あっという間にどこかへ消えてしまった。これは正しく安部公房と同じ世界であり、カフカの「審判」を思わせるような内容なのである。悪意のある整形手術で失った、本当の自分の顔や身分を取り戻そうとする物語で、安部、カフカ同様、象徴的に書かれている。
 だからといって、読みにくいということはない。意識的に短かくした文章や随所に織り込まれたユーモアによって、漫画に慣れてしまった世代にも受け入れられると思う。
 章の始まりごとの「あっと言わせる」からくりもおもしろいし、とにかくついて(読んで)いくのが楽しくなる。文章のうまさも絶品で、こういう表現の仕方もあるのだなあと、感心させられる場面も多々あった。
 久しぶりにおすすめである。カフカ、ポール・オースターみたいな世界であるが、そのようなジャンルにこだわることなく、とにかく読んでいてうきうきしてくる小説であるのは間違いない。
 

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