shuさんのレビュー一覧
投稿者:shu
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紙の本十二歳
2003/05/03 01:31
なにかになる
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「なにかになれるのかなあ」と自分に問いかける主人公さえ。
12歳の1年間をつづったこの物語は児童文学というには、すこし大人の感じがした
作品だったように思います。12歳で自分のアイデンティティについて
意識したことすらなかった私には、この1年の物語の中で揺れ動く、不安定な
感情をもつさえは、きっとはやくおとなになり、自分のなにかを見つけることだろうと思います。「なにかになる」というのは、この物語の中の何気ない「日常」を
懸命に生きていくことで、自分も気づかない「なにか」を得、「なにかになる」のでしょう。淡々とつづられるよさと、あまりの淡々さにちょっと退屈してしまうところもありましたが大人も十分楽しむことができる作品でした。
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