エロの深奥さんのレビュー一覧
投稿者:エロの深奥
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2003/05/15 02:22
故赤松啓介師の遺志を継ぐ思想家?!
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人間の三大欲求は「食欲・睡眠欲・性欲」という。
そのうちのひとつ、性欲分野において、いまの日本で一番の論客は
紛う事なき松沢呉一、その人であろう。
かつて、民族学の大家たる柳田國男を批判した郷土研究の大巨人・
赤松啓介先生に並ぶべく人物は、この人をおいて他になしとも
言えるに相違ない。
赤松啓介先生の著書、非常民の民族文化のまえがきには、こう
書かれている。
「これは一人の男の、敗北と挫折の記録である。いまから
金儲けしようとか、立身出世したいという希望をもっているような
人間が読んで、ためになるような本では断じてないだろう。また
労働運動、反差別運動、平和運動など、いわゆる社会運動のなかで、
あるいは加わって、民衆を指導し、指揮しようという大志をもつ
連中も、読まない方がよい。社会変革を達成するために、民衆、
あるいは市民を鼓舞激励する手法などは、なに一つ発見できない
からである。…略…いや、そう見せかけて、実は民衆の、
あるいは市民の、かくされた大きな潜在能力を暗示し、その発掘を
示唆しているのだ、などと買いかぶるのはやめてもらいたい。そうした
大逆転、ドンデン返しの手法は、決してかくされていないからである」。
松沢呉一さんのデビュー作「エロ街道をゆく」について、その意義を
問うたら、きっと同じようにこたえるだろう。だからこそ、
「エロ街道をゆく」はただただ無性に面白いのだ。
けれど、よくよく読んでみると、その背景にある松沢さんの思想を
垣間見ることもできなくはない。そこに流れている思想こそ、まさに
赤松先生のおっしゃるところの、「非常民(人間の屑)の思想」である。
アウトサイダーである。
頭の固い保守おやじども、リベラルでも食らえ!
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