荻原博子さんのレビュー一覧
投稿者:荻原博子
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2001/07/12 23:00
著者コメント「デフレが続いても、インフレになっても、あなたはローンに苦しめられる!」
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◎デフレが続いても、インフレになっも、あなたはローンに苦しめられる!
本書の取材で、ローンに苦しむ多くの人に遭いました。そして、たかだかお金のことにもかからず、人生に背中を向け、絶望している人がいかに多いか知りました。今後、景気が悪くなればなるほど、こうした人が増えていきます。
本書の執筆中に、日経平均は1万300円から1万4500円に上がりました。多くの人が、小泉政権の元で株価も回復に向かっていくと言っていました。けれど、金融機関の最前線を取材している私には、とてもそうは思えませんでした。これは一時的な明るさであり、経済は、再び急激に悪化していくとしか思えませんでした。本書のまえがきに、「もしかしたら株価1万円割れなどという事態にさえなるかもしれません」と書いたのも、今の金融機関の状況を考えると、それが不思議ではないと思えたからです。実際に、7月6日現在の株価は、私がこの本を書き始めた時よりもさらに悪い1万2300円にまで下がってきています。そして、まだまだ下がることでしょう。
そうなった時、私たちの生活はどなるのか。怖いのは、多額のローンがあることです。
デフレの中のローンは、モノの価値が下がるぶん、相対的に増えます。では、今のデフレが、インフレに変わればローンは目減りするのでしょうか?答えは、否。ローンが目減りするというのは、たとえば住宅だったら、住宅価格が上がって、これを売ると、ローンを差し引いてもお釣りがくるという状況を想定してのことでしょう。けれど、私には、いくらインフレになっても、こうした状況かやってくるという気がしません。説明すると長くなるので省略させていただきますが、仮にインフレ
になったとしても、マイホーム価格だけはそれほど上がらず、しかも、ローンの金利だけは上がっていくという恐ろしい事態になると思います。
デフレでも、インフレでも、私たちは、ローンに苦しめられることになります。だとすれば、今のうちに、この家庭内不良債権の元とも言えるローンの返済を進めておくべきではないでしょうか。その方策を、できるだけ現実に即したカタチで盛り込んだのが、本書です。取り返しがつかなくならないうちに、できることはしておきましょう。
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