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松沢呉一さんのレビュー一覧

投稿者:松沢呉一

10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本清潔はビョーキだ

2001/10/11 19:53

寄生虫が消えたせいで

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書を読み、以前、「ふきだまりのない街は死ぬ」という講演をしたことを思い出した。人が日常から脱出する場、この社会からはみ出した人が集える場のない街は活気を失うのだ。歓楽街の取材で全国を回っている私の実感である。
 寄生虫博士として知られる著者は、アトピーや花粉症などアレルギー性疾患の原因は日本人の身体から寄生虫が消えたことにあるとする。また「超清潔志向」がO-157のような新しい病原菌を生み、結核の再流行を招いたと主張。適度な不潔、適度な病気が、重度の病気を防いでいたのである。そして、著者も、このことは組織や社会にも言えるのではないかと示唆する。
 有害環境だとして、風俗産業やメディアを規制しようとする人々がいるが、実はそういう人々こそがガス抜きを塞ぎ、予想のつかないところに病を発生させるリリーサーの役割を果たしていることを強く確信した。(松沢呉一/フリーライター 2001.3.6)

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紙の本突破論 トラブルを逆手にとれ

2001/10/11 19:34

正しい悩み相談の回答

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 悩み相談の回答者というのは、犯罪のひとつふたつやってきた人間が相応しい。借金は踏み倒せと言い、老後食えなくなったら強盗でもやるつもりだと語る宮崎学はその点で最適だろう。

 本書が痛快なのは、しばしば相談者を罵倒し、嘲るところにある。著者の手にかかると、前科のある友人とつきあう大学生の息子を心配する親は「ジコチューのバカ親」、仕事が定まらず借金がかさむ32歳の男は「ヘタレ」となる。

 私が見ても、なんと些細なことで人は悩んでいるのかと思わないではいられない。こんな人たちの悩みにつきあうことでなく、命を捨てることやパクられることを覚悟すれば、たいていのことはなんとかなることを、「アホか」と罵倒しつつ教えてあげることこそ、正しい悩み相談の回答というものだ。

 原稿のことで悩んでいた私も、犯罪やるつもりで頑張る気になりました。(松沢呉一/フリーライター 2001.3.27)

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日本最大の犯罪集団

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 たった今もどこかで警察官は犯罪に手を染めている。不祥事なんて曖昧な言葉は適切でなく、はっきり組織犯罪である。あれだけの人数がいるのだから、中には犯罪をやらかすのがいるという解釈は正しくない。というのも、警察は内部の犯罪を隠蔽し、証拠隠滅、偽証だって平然とやる。このことで結果、犯罪を推奨しているのだから、警察はもはや日本最大の犯罪集団であると言っていい。
 私のこの言葉が大袈裟だと思うなら、是非とも本書をお読みいただきたい。警察とお友達の検察が、警察犯罪を不起訴にした場合、被害者救済のために設けられた付審判制度というのがある。著者は、この制度のもと、警察官を有罪に追い込んだ弁護士。
 警察官にだっていい人はいる。しかし、組織に属した時、いい警察官は一人としていない。そう思った方が身のためだ。(松沢呉一/フリーライター 2001.5.1)

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紙の本松本サリン事件報道の罪と罰

2001/09/06 17:41

もう一度真摯に河野氏の言葉に耳を傾けるべき

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 あれから7年、我々の記憶の中から少しずつ松本サリン事件の記憶が薄れつつある。しかし、サリンの被害者であり、犯人と疑われたことで二重の被害を受けた河野義行氏一家の傷は癒えない。事件以降も、警察情報が垂れ流され、被疑者をバッシングする報道が続き、報道被害救済がなんら確立されてはいないだけに、本書で語られる河野義行氏や長男の仁志氏の言葉は今も重い。
 このところ、「個人情報保護法案」などメディア規制に反対するマスコミ人の動きがかまびすしいが、被害者、被疑者のプライバシー暴きをする書き手や、反論権を認めない某誌編集長が法案反対のアピールに名を連ねているのを見る時、どうも素直に法案に反対とは言えなくなってきてしまう。
 もう一度真摯に河野氏の言葉に耳を傾け、報道のあり方を考え直さない限り、読者の離反を招き、メディア潰しを画策する勢力につけ込まれてしまうだけだろう。(松沢呉一/フリーライター 2001.5.29)

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53歳で性転換した大学教授の苦悩と苦闘の軌跡

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 この6月、砂川秀樹監修『パレード』(ポット出版)が発売された。「東京レズビアン&ゲイ・パレード2000」の記録集である。あるマスコミ関係者に「この本、泣けるよ」と見せたところ、「笑えるんじゃないの?」と言われてしまった。セクシャル・マイノリティは笑いの対象だと思っているらしい。嗚呼。
 ゲイ、レズビアン、トランスセクシャル、トランスベスタイトの家族、友人、知人が身の回りにいない人にこそ、『パレード』やこの『性転換』を読んでもらいたいと心から願う。大学教授という立場でありながら、53歳になって性転換しなければならなかった著者の苦悩と苦闘の軌跡を知ったなら、美しくない女装者を見たところで笑うことなどできなくなるはずだ。笑う時には笑ってもいいんだけれど、笑いの対象でしかないとの思い込みから、いい加減、抜けて欲しいものだ。
 女になるまで、そしてなって以降の奮戦記なのだが、正しい化粧法まで学べる好書。(松沢呉一/フリーライター 2001.6.29)

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紙の本男と女のためのPの話

2001/08/28 13:50

我々は世界に誇るべきチンコ文化をもっている!

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 チンコの本である(この本では「チンポ」を使用しているが、私はこのところ「チンコ」を愛用)。著者は女性であり、女性は好奇心でチンコを語れるが、男性は自己のコンプレックスに触れるためなのか、このテーマに正面から向かい合うことが苦手のようでもある。
 私も『魔羅の肖像』というチンコの本を出しており、拙著ではメカニズムや形態の解明に力点があるのに対し、本書はチンコにまつわるさまざまなエピソードを集めた雑学集的な趣。「アメリカでペニスという言葉が公然と使われるようになったのは1990年代になってからなんだよ」「割礼されたチンコの皮を取り返そうとする動きがあるんだよ」なんて、飲み屋の話題には格好の一冊(それ以上のもんではないとも言えるが)。
 田県神社の性器崇拝の話、刑務所で真珠を入れる話など、繰り返し日本のエピソードも出てくる。我々は世界に誇るべきチンコ文化をもっていることに胸を張りたい。(松沢呉一/フリーライター 2001.8.21)

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ホームレス社会の有りようを見事に活写

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 ホームレスに対しては様々な思いが錯綜する。青島都知事による新宿西口のホームレス強制撤去の日、私は思わず現場に出掛けた。10年後、あるいは1年後かもしれないが、自分もああなる可能性を否定できず、他人事とは思えなかったからだ。しかし、明日の自分かもしれないが故に彼らを直視したくない気持ちもあるし、彼らを見ることで今現在そうではないことを確認して安堵する、些かいやらしい気持ちもある。
 福沢安夫氏は、既に亡くなった上野のホームレスであり、本書は岸川貴文氏による聞き書きである。証券会社に勤めていた福沢氏がとんとん拍子に(?)画業で生計を立てるホームレスになっていく経緯や、ホームレス社会の有りようが見事に活写される。福沢氏のキャラクターとともに、黒子に徹している岸川氏の手間暇をかけた取材によって成立したこの一冊に不思議な安らぎを覚えるとともに、やっぱり私は不安も抱いた。明日は我が身。

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数々のトラブルに巻き込まれつつ、「暴力団お断り」を徹底するすごい人

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 すごい人だ。「暴力団お断り」との看板を掲げつつ、暴力団とベタベタの店だってある中、著者は「暴力団お断り」を徹底し、そのために数々のトラブルに巻き込まれる。
 飲食店や風俗店のミカジメ(用心棒代)にシノギを見いだし、時にカタギにも手を出すサイテーの暴力団が登場するようになったのは、博徒としてのヤクザが棲息することさえ認めようとしなくなったこの社会自身にも原因がある。山林が伐採され、生きることができなくなった熊が人を襲うようなもんだ。
 水商売にせよ、風俗店にせよ、彼らは目ざとくやってきて、ミカジメを要求する。金を出せば、被害者にもかかわらず、水商売や風俗産業を軽蔑する人たちが「暴力団の資金源」として非難してくる。一店舗が暴力団排除をすることにどれだけの困難が伴うのか、なんもわかっちゃいないのだろう。
 しばしば素人の方がヤクザよりタチが悪いのは、本書でも記述されている通りである。

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紙の本秘技伝授

2000/11/09 12:31

まつげだって感じるのだと細部にわたるテクを披露

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 AV男優・加藤鷹のテクニックを映像化した同名シリーズのビデオを文字と写真で本にしたもの。性の指南書は数々あるが、たいてい失望させられる。特に医者が書いたものは、さしたる進歩のない性の医学的知識を盲信し、ページ稼ぎのためなのか、高橋鐵の時代とさして変わらぬ態位の解説が続くのが常だ。
 その点、加藤鷹が途方もない体験の中から得た知識は示唆に富み、私自身、その多くに納得がゆく。「セックスがうまくできない、と悩んだり心配している人というのは、総じて日々の生活の中でも同じような悩みを抱えているものだ」との指摘はまさに慧眼。
 セックスはコミュニケーションとの視点は多くの類書が共有するところだが、そこから「好きであればいいのだ」とばかりにテク軽視につながりがちなのに対し、本書ではメンタルな部分を強調しながら、態位論に逃げることなく、まつげだって感じるのだと細部にわたるテクを披露。実践こそ力である。

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我々自身が心のどこかに隠し持っている衝動を容赦なく認識させられる本

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 自分の指を切り取っていく薬物中毒患者、熊の檻の中に飛び込んで自殺した主婦、自分は重病に違いないとの思い込みから逃れられない心気症患者。不幸になりたがる人々の奇妙な振る舞いを、著者が診た実例や新聞記事などから拾い上げ、その行動の説明を試みる。
 理論書のような堅苦しいものでなく、軽い筆致で描かれているだけにイヤーな気持ちにさせられる。特殊な人々の類い稀な行動では決してなく、我々自身が常に心のどこかに隠し持っている衝動であることを容赦なく認識させられてしまうからだ。
 大事な会議の席で、突然机の上に座ってウンコしたらどうなるだろうと想像してゾーッとすることがありませんか。我々はこのような衝動を辛うじて抑え、治りが悪くなるとわかりつつカサブタをはいでしまう程度で済ませている。この本を読むことで衝動を抑えられなくなり、カサブタのみならず皮膚をすべてはいでしまう人が出そうなのが心配だ。

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