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松尾 順さんのレビュー一覧

投稿者:松尾 順

7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本

「ビジョン経営」の詳細なケーススタディとして参考になる点が多い

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 存亡の危機に関わる重大事件にどのように企業は対処すべきかという、いわゆるリスクマネジメントのお手本として必ず取り上げられるケースに「タイレノール事件」がある。これは、1982年、米国で最も人気のある鎮痛剤「タイレノール」に青酸カリが混入され、7名の死者が出た事件だ。

 この全米を震撼させた「タイレノール」を製造していたのが、本書のテーマとして取り上げられている“ジョンソン・エンド・ジョンソン”(J&J)の子会社である。当時のJ&J経営陣は、速やかに全商品を回収すると同時に、情報を公開することによって、消費者優先の姿勢を明確に打ち出した。

 J&Jにこのような対応を取らせたのは、「我が信条」と呼ばれる経営理念である。「我が信条」は、様々な社内プログラムを通じて約10万人のグループ社員全員に浸透していると言う。

 本書は、創業から現在に至るまでの115年間に売上高がマイナスに転じたのは2回だけという「超卓越優良企業」、'ジョンソン・エンド・ジョンソン'の企業研究である。元同社役員山下辰夫氏と、戦略経営の研究で知られる中村元一教授の共著であり、企業の行動指針としての役割を持つ、経営理念の重要性を実際の経験と理論の両方の側面から整理した内容となっている。

 元同社役員の手によるものであるため、いささか自画自賛的なところが玉にキズなのだが、いわゆる「ビジョン経営」の詳細なケーススタディとして参考になる点が多い。
 

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紙の本

ネットビジネスで勘違いされてきた点を11の法則にまとめ、消費行動の本質を見事に指摘する

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 インターネットにおいては、「ブランド名」、すなわち「ドメイン名」が決定的に重要である。リアルの店舗を持たないネット専業であれば、普段の生活で自然に目にする機会もないからなおさらだ。

 そこで多くのインターネット企業は、「カーズ・ドットコム」「スポーツ・ドットコム」「ワイン・ドットコム」といった、一般的な名称に手を出した。ロサンゼルスのある会社が、「ビジネス・ドットコム」というドメイン名を750万ドルで買い取ったことは記憶に新しい。

 しかし、本書によれば、一般名称をブランド名に採用するのはとんでもない間違いということになる。実際に強力なブランドを構築しているネット企業、たとえば「アマゾン」「ヤフー」「eベイ」はすべて固有名称である。著者は、このような実例を示して、人々のマインドに特定のWEBサイトを印象づけるためには、カテゴリー全体を連想させる一般名称ではなく、固有名称をブランド名にしなければならないと断言する。

 本書は、上記のような、インターネットでビジネスを展開する上で勘違いされてきた点を11の法則にまとめたものだ。ブランドが中心テーマではあるが、実際にはビジネスそのもの、あるいは消費行動の本質を見事に突いた指摘が随所に見られる。

 ネット企業の不振がここにきてますます顕著になってきたが、本書を読むと、彼らはまさに失敗すべくして失敗したのではないかと感じるだろう。まるでビジネスがわかってなかったのだと。
 

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紙の本

末端の企業活動の成果と株価との因果関係がすっきりと頭に入ってくる

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 本書の特徴で類書に見られない点を挙げるとすれば、売りの現場に近いところで経営の良し悪しを判断する指標、例えば売上高営業利益率や売上債権回転期間といった数値が、最終的な企業全体の価値を反映した株式市場での株価を左右する、株主資本当期純利益率にどのようにつながっていくのかを体系立てて明らかにしている点だ。

 言い換えると、本書を読むと、末端の企業活動の成果と株価との因果関係がすっきりと頭に入ってくるということである。この因果関係が理解できれば、企業活動をコントロールする立場にある管理者・経営者は、経営指標を過去の企業活動の結果を評価するという目的だけでなく、自社の市場価値を最大化するために、どのような経営施策を打てばいいのかという目的にも使えるようになるだろう。

 また、様々な経営分析手法を網羅的に説明するのではなく、特に重要な数値に焦点を当て、その部分については実に丁寧に、順を追ってわかりやすく解説されている。英国の学者による、英国会計基準に準拠した内容のため、日本の会計基準と若干表現が異なり、とまどう部分があるが、そういった問題点を考慮しても、独自の視点で書かれた経営指標分析の本として一読の価値があるだろう。

 財務の基本的な知識があり、貸借対照表や損益計算書の表記や経営指標の概念にある程度なじんでいるが、各種経営指標間の関係がもうひとつ明確でないと感じている方にお勧めしたい。
 

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紙の本

自分で「キャリア」をつくっていく時代が求めた、本格的なキャリア・デザイン本の登場

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 本書は、巷に溢れる、精神論的な本、転職テクニックに終始する本、適職診断・業界研究の本ではどうも何かが足りない、キャリアについてのわだかまりが解けない、と感じている方にお勧めしたい一冊だ。

 多くの社会人にとって、キャリア・デザインは、新卒で会社に入社した時点で終わっていたように思う。定年までのロードマップが会社側で明確に決められていたから、自分にはどんな仕事がふさわしいのか、自分は10年後にどうありたいか、ということにあまり悩む必要はなかった。

 しかし、急激な企業環境変化への対応を旗印に、年功序列制度から成果主義への移行、若年層も含む早期退職制度、中途採用・通年採用の実施が当たり前となった今、自分らしさが発揮できる、エキサイティングな仕事をやりたければ、自分自身で「キャリア」をデザインするテクニックを学び、実践する必要がある。

 本書では、ビジネススクールや人材紹介サービスといった、キャリアを育成・紹介する事業に従事する著者らが、日々の実践を通じて得たキャリア・デザインの具体的なノウハウを解説している。しかも、単に理論を紹介するだけでなく、実際に相談を受けた、キャリアに悩む様々な実在の人物との対話形式のケーススタディで、どのように理論を応用すればいいのかを詳述しており実にわかりやすい。

 自分で「キャリア」をつくっていく時代が求めた、本格的なキャリア・デザイン本の登場である。
 

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紙の本

「感情」を上手にマネジメントできることの重要性を認識させてくれる

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 顧客はいつも感情で動く。消費は感情に満ちた行動であり、顧客は感情をもってコミュニケーションをする。したがって、サービス担当者が感情豊かなサービスを提供できれば、顧客と担当者の間に「共感」という個人的なつながりを生みだすことができる。

 また、苦情対応というネガティブな状況を顧客つなぎ止めの機会に変え、得意客を増やす。

 逆に、サービス担当者が、マニュアルには忠実だが、豊かな感情や個人的なつながりを感じさせない通り一遍の対応しかできないとしたら、その企業は得意客を増やすことはできないだろう。

 筆者は、感情とは顧客経験を豊かにするものであるとし、それを「感情価値」と呼ぶ。そして、具体的な事例を示しながら、感情価値をどのようにサービスに付加すれば、顧客ロイヤルティ向上につながるのかを解説する。

 この「感情価値」を付加するための鍵となるのが、感情を効果的に扱うことができる能力であり、本書では「感情コンピタンス」という概念で説明されている。そして、「感情コンピタンス」を新しいサービスモデルとして採用する上で大事なことは、サービス担当者に、感情を最良の状態に保つことが仕事の要件として不可欠であることや、顧客の行動の裏側にある感情に気付くことの大切さを理解させ、体系的に教えることだと言う。
 
 豊かな顧客経験の提供が求められるている今、「感情」を上手にマネジメントできることの重要性を認識させてくれる本である。

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紙の本

ビジネス的発想を子育てにも活用、著者自身の経験を交えて解説

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 よく考えると、父親は、子育ての基本的な知識やスキルを学ぶ機会がほとんどない。書店に並んでいる育児書は母親向けのものばかり。そもそも、子育ては母親の役目だと考え、育児にはあまり積極的ではない父親がほとんどではないだろうか。

 そんな父親、あるいは、これから父親になろうとしているビジネスマンにぜひお勧めしたいのが本書である。著者は言う。仕事を通じて磨いた様々なビジネススキル、例えば、説得力や企画力、交渉術、情報収集力、やっかいな相手と一緒に仕事をする能力を家庭に持ち帰り、子育てに活用すれば良き父親になれるのだと。

 言われてみればああ確かにそうだ、と目が開かされる内容である。ビジネス的発想に基づいて、父親としてどのような行動が望ましいのかを著者自身の経験を交えて解説している。また、母親との役割分担については、ジョイントベンチャー(合弁企業)を例にとり、成功するジョイントベンチャーの5つの条件を子育てに適用してわかりやすく説明している。

 しばしば、父親は、家族に何不自由ない生活をさせるために仕事に打ち込んでるんだ、子育てを母親にまかせきりでも仕方がないじゃないか、と開き直りがちだ。しかし、子供が求めているのは、お金なんかじゃなく、父親が一緒にいてくれることである。また最後にあなたに残るのは家族であって、仕事ではない。子育てにとどまらず、自分の人生をどう生きるべきかについて考えさせてくれる良書である。

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紙の本

他社との差別化の可能性は無限にあることがわかる

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 本書は実務書である。サービス業に従事している方、またサービス業だけでなく、営業マンのように、お客様と直接関わりのある仕事をやっている方にとっては、即、今日から使える具体的なノウハウが詰まっている。目に見えずつかみどころのない「サービス」をどうやったら改善することができるのか、あるいは効果的に売り込むことができるのか、といった課題に対する様々な方法が簡潔・明快に述べられている。

 本書からひとつエピソードを拾ってみよう。著者、ハリー・ベックウィス氏は、外注先を選定するにあたり3人の人間と面会した。三人とも手腕が確かなのはわかっていた。つまり実力的に遜色はなかったということである。この三人からベストの人間を選ぶのは簡単だったとベックウィス氏は書いている。面会のあと最初に手紙を書いてきた人間を選んだのである。

 そう、我々はこんなことでサービスの優劣を判断していることが多い。よく考えれば当たり前だが、なかなか実行できないこと、しかしそれをやれるかどうかがビジネスの成否を分ける。サービスとは、結局、自分の技術や知識、経験を提供することであり、自分自身を売り込むことである。サービスは、設計段階で作りこまれ、工場で大量生産される製品と違い、機能・品質が一定しないだけに、むしろ他社との差別化の可能性は無限にあることが本書を読むとわかる。

 サービスの基本に立ち戻り、自社サービスを改革したい方にお勧めである。

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