三浦汐美さんのレビュー一覧
投稿者:三浦汐美
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2001/02/23 00:16
介護福祉士を中心に広く介護に携わる人を対象に,心構えから具体的なケアまで網羅した介護入門書
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基本的には介護福祉士や,これから介護福祉士の資格をとろうとする人に向けて書かれた本だが,極めて平易に書かれているので,たとえば家族を介護する人などにも大いに参考になろう。正しい介護を身につけることは,介護される人はもちろん,介護する人の気持ちと体をも楽にさせる。
介護者としての心構えの中に「個別性の尊重」という項目がある。相手の性格を認めて自分の考えを押し付けないということだが,これなど介護に限らず一般の人間関係でも大切なこと。体の自由が利かない人の体の向きを変えさせたり,座らせたり立たせたりといった介護は,一つ間違うと,介護する側の健康まで害してしまう危険性があるから,心しなければならない。
本書では,その動作のすべてがていねいなイラスト付きで説明されている。ケアマネジメント用の図表などもある。また活字が大きく,太いので,年配者も楽に読める。全編2色刷り。参考資料では政府が行う施策や法律,介護福祉士になる方法などが掲載されている。
(C) ブッククレビュー社 2000
2001/02/23 00:16
より質の高いケアマネジャーになるために必要な知識とノウハウを身につけるためのテキスト
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介護保険専門員(ケアマネジャー)は,被介護者の在宅生活の質を高め,自立の支援を継続的に行う職業であり,本書はそのために作られたテキストである。総論編と演習編からなり,大部分を占める演習編では,まず2つの事例が示され,それぞれについて,ケアプランを作成するための帳票類の記入例が示される。Lesson1〜9までは「基礎知識」の項で,テーマをいくつかの要点に絞って解説してある。ここで得た知識をもとに「演習」としていくつかの例題が与えられる。ほとんどは記述形式の問題だ。これに対して「解答例と解説」があり,必要に応じて資料などが収まっている。また勉強に対する自己評価欄もある。
介護専門員の資格をとることと,実践面で有能なケアマネジャーになることは別問題である。本書は,より質の高いケアマネジャーたらんと欲する人に向けて書かれた本といえるだろう。
(C) ブッククレビュー社 2000
2001/02/23 00:16
介護を特別な檻(おり)に入れてはならない!スタートしたばかりの介護保険にあえて苦言を呈する
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自身の介護体験をつづったベストセラー『母に襁褓(むつき)をあてるとき』の作者で国際政治学者の舛添要一さんと,加藤仁さんの対談,下村恵美子さん,中村大蔵さんの論文,5人の男性ヘルパーによる座談会などで構成されている。舛添氏はテレビに登場したての頃は過激な発言が目立ったが,いつ頃からか“角が取れた”感がある。本書ではさらにその感が強い。ただし「介護にかかる費用を消費税で負担するのがもっとも公平」と主張するあたりは,やはり政治学者。
下村さんが運営する老人の寄り合い場所・宅老所「よりあい」は,民家を借りて老人たちが集う場所を提供する。ここの主役はあくまで老人たちであって,老人たちの生き生きした姿が浮き彫りになる。介護保険制度が始まるまでは7人定員だったが,保険制度によって「1人部屋は4畳半以上の広さ」が義務化されたため,5人定員にせざるを得なくなったという。ここでも“机の上で作られた”官主導の介護施策の不条理がある。
(C) ブッククレビュー社 2000
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