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幸島 祥夫さんのレビュー一覧

投稿者:幸島 祥夫

4 件中 1 件~ 4 件を表示

Linuxとは一体何かを問う。Linuxがコミュニティーと企業目的の関係をどう取り持つかを考える

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 かなり難解な書である。さらに言えば,“未完成新経済哲学”の提唱である。新しいIT社会でのコミュニティーと企業の関係を無理矢理考えさせられる。監修者国領氏のはし書きがある。ネットワーク社会の未来を展望するには「価格メカニズムとネットワーク・コミュニティの不協和音」の原因分析と,そうした矛盾を超える新しい社会システムの構想に取り組む必要があると述べている。この前書がなければ全く手掛かりがつかめない。タイトルに引かれてディジタル・デバイドになりたくない,という気持で読む。
 一体Linuxとは何か,知りたいが仲々分からないのでとてもイライラしてくる。しかし,徐々に新しい世界に慣れてくる。
 本書は,実は監修者も言うように新しい経済哲学の書であり,特に本書の後半ではローカル・コミュニティーにおける経済と,国や世界との関係が今後どう影響し合うべきかについてLinuxを介して興味深い問題意識を投げかける。
 執筆者はあとがきで,実はLinuxではなくて「コミュニティ・アライアンス戦略−Linuxが企業に教えてくれた事−」というタイトルを考えていたということを明かすが,評者のようにLinuxが何か分からない者には途中まで探偵小説を読むように,誰が犯人なのか何と対峙しているのかがさっぱり分からない面白さがある。
 LinuxはUNIX互換のOSであり,リーナス・トーバルスがヘルシンキ大学の学生時代に開発を始めた。彼はその後もインターネット上で多くの開発者達と提携しながら開発を進めてきたという説明に,やっと出会う。
 結局,使う者が無料で使用でき,皆で開発,発展させるITソフトというような意味だと分かって一安心する。
 非貨幣的で希少性に依存しないメカニズムを用い,いったん生まれた価値を貨幣的な価値に変換するという,主にコミュニティーとビジネスが協力関係を結ぶプロセスを考慮している。やはり,ディジタル・デバイドにならぬために必読の書である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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官民の協力による公共サービスの効率的供給を行うために,PFIの積極的活用を

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 よりよい公共サービスのあり方を考え,また,公共サービスをビジネスとして考える人々にとって,とくにPFIの3大プレーヤーといわれる公共機関,民間事業体,さらに金融機関の人々にとって,本書はきわめてタイムリーな,PFIの実務上必携の書である。ところで,本書のタイトルは,「日本版PFI基礎からプロジェクト実現まで」であるが,PFIが一般の用語としてすでに,広く認められたという前提で書かれている。本書のどこにもPFIの原語である“Private Finance Initiative”の説明がなく,PFIと略語でいった方が実体を伝えているとの判断なのだろうと推察される。本書は日本でのPFI新時代の幕開けを告げる書でもある。
 公共サービスのPFIは,設計,建設,資金調達,そして運営にわたる事業のライフサイクルを,民間事業者が一括して受注して,効率化を図ろうとするねらいが根底にある。現在,地方自治体を中心に具体的なPFI事業化の検討が進んでおり,すでに20件近くについて特定事業選定や,公募・契約,更には事業の運営開始といった段階に入っている。
 財政難に陥っている中央政府,地方自治体に,民間の市場機能ビジネスマインドを注入し,新しい官民の協力による公共サービスの効率的供給を行うために,PFIという新しい手法が生み出された。本書は多くの関係者の合理的な協調関係をベースに,21世紀の社会づくりを行うための専門家によって描かれたPFIのバイブルとも呼べるものだ。
 PFI手法による社会資本整備事業は,関係者全員にとって規模も大きく夢のある仕事である。つい計画にのめり込み,それにおぼれてしまうことがある。プロジェクトのリスクを冷静に分析し,ときには実現寸前でも,撤退する勇気が必要なことを認識することも大切である。PFIはふぐ料理。美味で,滋養があるが,死に至る毒も含んでいる。その毒の部分は,全体のごく一部で,取り除くことができるが,高度なスキルが要求される,という注意書きも本書は忘れてはいない。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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リスクは至る所にある。我々はリスクに遭遇した時,どのように対応すればよいのか考えよう

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 ちょうどこの本を読んでいる最中,米国の原子力潜水艦グリーンビルが緊急浮上訓練で突然浮上,折から通りかかった宇和島水産高校の実習船にぶつかり,沈没させた。また2週間前,2機の日航機が管制塔の指示ミスで,あやうく空中衝突するところであった。このようにリスクは我々の周囲の至るところに転がっている。リスクの回避が出来ず,山一証券もなくなった。雪印乳業も古い牛乳を使用したため,まさかという食中毒事件を引起し,会社は信用を失った。このようなリスクに企業はいかに対処すべきかの処方箋を示す。本書はまことにタイムリーかつ有意義な書である。
 今後,企業のリスクをどう認識して,どう対処すべきかが企業の存続のために必要だ。どのようなリスクも思い起こせば予兆があるはずであり,リスクには真正面から向き合う必要がある。企業の場合には,特にリスクとチャンスは裏腹であり,リスクは「前髪しかない」ので通り過ぎる前につかむものだ。
 一番大切な事は,組織の内外,あるいは家庭の内外で「リスクの存在を強く意識しよう」というキャンペーンを繰り広げる事だ。「イメージできないものはマネージできない」と明解だ。
 筆者はリスクマネジメントの教材として,アメリカ映画「13ディズ」を観せているとしているが,評者も,この本を読まれたら,この映画を観る事をお勧めする。評者は同映画を観ていたため,本書の意義を一瞬にして理解する事が出来た。全人類の滅亡という危機に直面した13日間が,キューバのミサイル危機であり,これはかつて人類が経験した最大の危機の一つであったとの指摘だ。
 1962年10月16日,キューバ上空を偵察していたアメリカの超高度偵察機(U2型)がキューバに核ミサイルらしきものが配備されていることを発見する。ここから悪夢の13日が始まり,結局は米大統領ジョン・F・ケネディー,弟のロバート・ケネディー司法長官のリスク判断と,ソビエト首相フルシチョフの核による報復によるエスカレーションを回避するための努力とコミュニケーションが,ギリギリのタイミングで結実したリスクマネジメントの成功例だ。
(C) ブッククレビュー社 2000

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米商務省は,米国ニューエコノミーはデジタル・エコノミーの発展で説明できると言う。21世紀も成長は続く

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 アメリカの1900年代後半からの生産性向上,低失業率に支えられる持続性のあるニューエコノミーの展開は,アメリカが世界に先駆けてのIT革命によるものであると,詳細なデータの裏付けをもって米国商務省が高らかに歌い上げた報告書がデジタル・エコノミー2000である。加えて,それを支えるアメリカのデジタル企業の内容の詳細な説明を編訳者の室田氏が丁寧に行っている。今後の日本のIT革命を考える時,またIT産業を起業する企業家にとって極めて有益な指針を与えてくれる。米国商務省の発表した「デジタル・エコノミー」,「デジタル・エコノミー」に次ぐ3番目の報告書である。これらを合わせ,日本のIT革命を考えるための基本資料としたい。日本もこれらを参考に,官民ともども21世紀IT革命の方向を見定めておく必要を感じさせる。
 2001年からアメリカは新しく共和党のブッシュ大統領を迎え,このニューエコノミーがこれからどうなるか分からないが,本書ではこのデジタル・エコノミーは従来の収穫逓減の法則ではなく,収穫逓増の法則が働く新しい局面に入ったとして,またカジノテーブル(サイクルがどんどん変わる)の法則が働く世界が現出したということで寡占状況が崩れる,という新しい時代の到来を予想。今後のアメリカ経済は新しい継続的な成長路線に乗ると述べている。
 近年IT産業が牽引したナスダック市場が崩れ,米国経済がソフトランディングできるかどうか不透明となった今日,本書の強気な見方は大いに支援材料になろう。また,IT革命に成功した企業としてマイクロソフト,シスコ・システムズ,インクトミの3社が挙げられている。その共通の要素として,R&Dとマーケティングに多額の投資を行う,リーダーが若く専門知識がある,M&Aで時間を買う,朝令暮改で政策を強力的に変更する,などという20世紀の企業の指針と異なる方向性が指摘されている。
(C) ブッククレビュー社 2000

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