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高畠恵美子さんのレビュー一覧

投稿者:高畠恵美子

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紙の本

紙の本トビアと天使

2000/09/29 15:56

訳者あとがきより

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書の主人公、マルティーナの過酷な人生には、著者スザンナ・タマーロの幼時が投影されているのかもしれない。両親は彼女が幼い時に離婚し、タマーロは祖母の手で育てられた。そんな体験をもつ彼女だからこそ、幼いマリティーナの行く手をさえぎる様々な困難の中に、温かい救いの手を差し延べてくれる人を次々に登場させるのだろう。

マルティーナの両親は貧しい生活の中で心のゆとりをなくし、争いが絶えない。そんな両親の姿に、彼女の心は深く傷つく。「両親は、自分を必要としていないのではないだろうか」。そんなマルティーナの救いは、一週間に二度訪ねてきてくれるおじいさんだった。おじいさんと一緒の時間だけは、彼女の心は落ち着き、幸福感に満たされる。ところがそのおじいさんも、何の連絡もないまま二度三度と、約束をすっぽかしてしまう。

ただ一つの心の拠り所を失ったマルティーナは、とうとう家出をしてしまう。娘の家出という事実に、両親は、どんなに自分たちが彼女のことを愛していたのか、それなのに、娘の心を思いやることがいかに少なかったかに初めて気づくが、もう遅かった。

いっぽう最初マルティーナは、物質世界に背を向けていきる老女の助けられるが、その後で、彼女だけが見ることのできる「守護天使」が登場し、その導きで危険から守られ、両親との再開を果たす。カトリック教徒が国民の大半を占めるイタリアで、創造主や、創造主と人間の間を橋渡しする守護天使や精霊の重要さを、日本人が想像することはちょっと難しいかもしれない。

この本は、家族向けに書いたとタマーロは語っている。子どもたちだけではなく、親や、これから親になる人たちも読み、共に考えてほしいと願っているのである。タマーロの願いをしっかり受け止めれば、あなたは子どもの「守護天使」に慣れるのではないだろうか。

■編集部コメント(あすなろ書房 編集部)
『心のおもむくままに』インフォメーションの作者スザンナ・タマーロの新作ファンタジー。
不仲な両親のもとを飛び出し、自分の運命をみずから探し出そうとする少女の心の痛みは、主人公と同じように「傷ついた子ども」だったタマーロだからこそ、描くことができたのではないかと思います。
深刻になりがちなテーマではありますが、ユーモアが随所にちりばめられ、読後感はさわやか。心あたたまるものがたりです。

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