和田 一世さんのレビュー一覧
投稿者:和田 一世
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2001/01/07 18:16
環境マニュアル作成の現状と作業のポイント,考え方がわかる。読んですぐに役立つ実践的なハンドブック
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本書は,国際規格ISO1400Xの認証取得を支援するシリーズの第8巻である。本シリーズは,『内部環境監査の進め方とチェックリスト』(第4巻),『環境審査登録受審の進め方』(第5巻),そして本書『環境マニュアルの作り方』(第8巻)など具体的な実務のノウハウや実例を中心にしたタイトルを揃えている。認証取得の準備を「環境コンサルタント任せにせず自分たちで」という担当者にとって,うってつけのシリーズであろう。
ISO14001規格では,環境マニュアルの作成を要求していない。それに,環境マネジメントシステムの確立・維持の手段である環境マニュアルの作成自体が目的と化し,システム推進に多大なプレッシャーを与えているという反省もある。しかしながら,環境マニュアルを作成することによって,業務をわかりやすく手順化でき,環境マネジメントシステムを組織内外のスタッフに周知・教育しやすい。これは,システムを運用していく上で大きなメリットである。
とはいえ,担当者がいちから作成するには,多大な労力と時間が必要だ。それにマニュアル設計は,後に運用していく上で使い勝手を大きく左右する肝心な作業である。本書では,認証取得済みの組織と審査登録機関に対して行った,環境マニュアルに関するアンケート結果を掲載している。読者は,認証取得組織の回答から環境マニュアル作成の現状と作業のポイントを,そして審査登録機関の回答から審査のツボとなる要素を効率的に把握できるであろう。また具体的事例として,業種の異なる3社,セイコーエプソン,クボタ,清水建設の協力を得て,環境マニュアルを全文掲載した。ISO14001規格の「核となる要素」の考え方,そして自社の「環境マニュアル」に記述すべき内容を考えるヒントをつかめるはずだ。
(C) ブッククレビュー社 2000
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