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宮川 公男さんのレビュー一覧

投稿者:宮川 公男

1 件中 1 件~ 1 件を表示

経済の長期変動を捉えたコンドラチェフ波動。成長循環が引き起こすのではなく,金利・物価の循環による

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 経済変動を周期が比較的一定の波動としてとらえられるのではないかという考え方は,古くから根強く存在する。なかでも周期が50年前後という長期波動はコンドラチェフ波動として最も信奉者の多いものである。
 機関投資家の資金運用の実務に長らくかかわる間に,コンドラチェフ波動に本格的に興味を持った著者が,金利の長期的変動のデータを注意深く観察し続けた結果,「金利予測の基本はコンドラチェフ長期波動の理論である」と確信したという。著者は200年余りの期間について,欧米およびわが国におけるさまざまな歴史的出来事を4つの循環波動のそれぞれの7つの局面に関連づけて理解しようとしているが,さらにわが国については江戸時代の米価の長期波動について考察しているものも興味深い。
 本書はコンドラチェフ波動を成長循環よりも金利循環・物価循環としてとらえ,市場メカニズムの機能の有効性と限界が生み出す現象と理解するという立場をとるが,同時に「強者の論理と弱者の論理の相克を起動要因とする経済波動である」としている。そして思想の変動が金利・物価の循環の転換の前触れとなるという関係が見出されるとする。このようなユニークな見解から,本書の後半ではステイト・ガバナンスとコーポレート・ガバナンスについての著者の考え方が展開されている。
 5年余りも0.5%という超低金利が続いてきたわが国の公定歩合については著者は「コンドラチェフの長期波動が下降の最終局面に入っているためである」としており,20世紀末の深刻なデフレの時代から21世紀へかけて「デフレの脱却と経済の新しい展開過程への道標」の光明がコンドラチェフ理論から提供されるとするが,読者の多くもそのように願うことであろう。
 一般の読者にとっては決して読み易くはない専門書ではあるが,多忙な実務のかたわらこのような労作をまとめた著者に敬意を表したい。
(C) ブッククレビュー社 2000

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