まーべりっくさんのレビュー一覧
投稿者:まーべりっく
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2003/07/12 10:34
銀行の資本政策担当者、そして、投資銀行・証券会社で銀行資産証券化に携わる者のバイブル登場。実務家は、英文タイトルの洒落っ気に気付かなくては…
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銀行の企画等の部門で、自行資産の証券化がどのようなバランスシート上のインパクトをもたらすのか考えなくてはならない人、あるいは、そのような人に対して証券化の営業をする人にとって、この本は必読です。まず、本文だけを読み、次に註を含めて読み直してみるのがいいでしょう。さらに詳しく調べモノをするためには、註に挙げられている参考文献にあたってみて下さい。各当局のホームページの紹介も多く、レファレンス・マニュアルとしても秀逸です。
日本では“BISの第三次規制”と呼ばれることの多い「新バーゼル合意」は、現行の自己資本規制が持つ弊害を是正するための様々な工夫が凝らされています。新合意が万能薬でないことは報道の通りでして、ドイツや日本など、多くの中小企業があり、その国の製造業の活力の源であると信じられている場合にはなおさらなのですが、リスクに見合った儲けがあるかどうか、あるいは、リスクを取るために必要な(自己)資本はどれだけかという、資本主義下での私企業が当然に自問しなくてはならないことについて、一層の思慮を強いる契機としての新合意に対する期待は大きいものがあります。
証券化・資産流動化という言葉は随分日常的なものになってきましたし、銀行を含めた金融会社や不動産関連の資金調達にはなくてはならないものになっています。現行のBIS規制でも証券化で規制裁定が働く機会は多く、新合意の下でもそれが完全になくなるわけではありませんが、それぞれを詳細に検討することによって、新しい商品開発のヒントになることもあるでしょう。結局のところ、規制は細かくつくれば細かく作るほど、穴もまた出来るわけですから。そして、細かい部分の説明を誰かに求められれば、この本に解答が書いてあります。
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