サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. いばこ@25さんのレビュー一覧

いばこ@25さんのレビュー一覧

投稿者:いばこ@25

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

紙の本阿修羅ガール

2004/06/14 23:06

嫌悪感!なのに本を閉じられない!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

書評露出度の高い、インパクト大の書き出しに惹かれ惹かれて、読まずにはいられなかった一冊。

この思い切りのいい書き出しのまま、アイ子の言葉はどんどんエスカレートする。決して子どもには読ませたくない表現に、神戸や島根の残酷な事件を軽々しく使う著者に、嫌悪感は増幅していくばかり。ページをめくるごとに顔は歪んでいく。
なのに、本を閉じられない。その先に何かがある気がするのだ。そして、そのバラバラのろくでもないストーリーのかけらが、糸をつたうように繋がっていったとき、著者のイマジネーションに追いついていけてなかった自分に気付き、

“くそぉぉぉぉーーーーー!”

って興奮していた。
共感とか、そういうレベルじゃなく、普段意識してないことを気付かせ感じさせる。美しい表現力、共感できるストーリーで人をいい気分にさせてくれる小説もいいけど、物語りで勝負。独特な想像力と物語の強さで展開するこの本に、私もアイ子同様、ガツンと金槌をくらった感じだった。

嵐のあとのすがすがしい晴天。その爽やかな終わり方に、多分賛否両論?と思ったが、私的には“うまく裏切ってくれてありがとう”とホッとしました。

→HPもどうぞ

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本スイートリトルライズ

2004/06/13 02:45

野次馬的好奇心が最後まで読み進ませる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ダブル不倫の様子を描いた1冊。と言ってしまえば、下品な感じがするが、同じ不倫を書くにしてもこんなに爽やかにあっさりと、悪気無く書ける作家は他にいるだろうか??

確かに悪気から始まる浮気などない。はずみや、気の迷いから始まったとしても、本来のパートナーにない居心地の良さを感じたりして、両方好きになってしまうのだ。どちらか一方に欠けているものを、もう片方の彼OR彼女で満たす。しかし、それがいつまでも続くわけ無いと思うから、この二人はどんな決断をするのかという野次馬的好奇心が最後まで、というよりむしろ、後半になるにつれて増していく。

ジェットコースターといえば、ただのエンターテイメント小説みたい?
だが、ありふれた日常(不倫なんてありふれてるでしょ!)をジェットコースターにする・してくれるって、予想以上に爽快なものですよ!


→HPもどうぞ

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本パレード

2004/06/06 11:53

私たちのコミュニケーションの形

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

《たとえば悔しさという感情を笑い飛ばすこと以外の方法で、乗り越えられる術はないのだろうか?》

うっ…。わかる、わかる。ね、ね? そう思わない? と誰かとこの思いを共有したい。そんな時、うわべの付き合いでもいい。チャットやシェアルームの同居人が、「うん、そうだね」って、そう言ってくれるだけでいい。私はこう思うんだけどってだけ伝えたいって時あるじゃない?

そんなシーンが続出だった。とにかく、実感があり情景がリアルに目に浮かぶ。物語りであるけれど、現実世界を覗いているような。

物語は、東京・千歳烏山の2LDKマンションに住む男女5人の同居生活。家族でも親友でもない、友達と呼ぶのもちょっと恥ずかしい…、家族や恋人の相談もすれば、進路の話も“とりあえず”する。でも、明日このマンションを出て行くと言ったとしても、誰も止めないし、咎めない。
そんなスレスレの人間関係の築き方、距離のとり方。
それをチャットやBBS上の匿名性のもとにつくられる距離感になぞらえて、5人の視点で物語りはすすむ。

読後、TVをつけると長崎の小6女児殺人事件が報道されていた。
自分のHP上掲示板を荒らされたから、殺そうと思って呼び出したという。
TVの街頭インタビューでは、大人たちが口をそろえて「今の子供の考えていることがわからない」と言っていたが、パレードはそんなチャットやBBS上でのスレスレの距離感と、現実世界の鋭角で不可逆な事実を描いている。そのパレードのラストと長崎の事件の現実がリアルに重なってしまった。
不安定で、一時的であろう人間関係とその場に合わせてつくった人格。それを客観的に見ているもうひとりの自分。はけ口・爆発先はどこに?

25歳の私は、この登場人物世代の真っ只中。
これが現代の青春小説だとすれば、学生時代に腹を抱えて笑った村上龍「69」の爽快感や、宮本輝「青が散る」の敗北感と完全燃焼からくる達成感という清清しさを感じることは微塵もない。時代が違うのだ。変わってしまったのだ。コミュニケーションの形が。

長崎の加害者少女は殺害された少女に「会って誤りたい」と言ったという。
現実ともうひとつの世界の倒錯に、一瞬、頭が追いつかなかった。
パレードのラストシーン。それでも変わらぬ日常が続くリビングで、直輝は思いをめぐらす。この先、どんな展開がおとずれるのか、それは読者に任されている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

3 件中 1 件~ 3 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。