えび大盛さんのレビュー一覧

思わずの一気読みでした

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梶尾真治さんの作品は大きく分けて「全くもっての架空世界もの」と「ありえなくもない現実世界もの」の２つになると思いますが、この作品は後者の、私の読んだ中でのイチオシです。とくに山歩き、コーヒー好きなど自分にも共感できる部分をもつ私のような読者は過分にこの主人公の世界に入り込めると思います。あくまで静かに、切なく、淡々と、興味と想像と期待を持続させられたまま一気にラストまで導かれていきました。ちゃんとスパイスもきかせてあって納得・安心。美しい山の光景とともに爽やかな後読感を味わうことが出来る一冊です。