tadatadoさんのレビュー一覧
投稿者:tadatado
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2003/12/13 17:20
キラ星のごとき英雄たち
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「まじかるたるるーとくん」「東京大学物語」で有名な江川達也さんの作品。維新回天の後、明治の日本が体験した日清、日露という2つの戦争を史実に基づいて描いている。
主人公、秋山真之は少年時代、どうしようもない腕白であったが、様々な人物と触れ会いながら、海軍士官として成長していく(ちなみに彼は、日露戦争では参謀としてロシア艦隊と戦い、日本海海戦を日本軍の勝利に導く)。彼が出会う人物には、学校で一度は習ったことがある有名人がたくさんいる。俳人 正岡子規は彼の幼馴染み。博物学者 南方熊楠や小説家 夏目漱石は東京大学の学友。また大学では、後の総理大臣 高橋是清にも教わっている。海軍では、太平洋戦争 終結時の総理大臣 鈴木貫太郎を先輩にもつ。
彼ら以外にも、のちになって有名になる人々が、若かりし姿で登場するのもこの作品の魅力のひとつである。
西洋列強からの圧迫、そして戦争という過酷で悲しい時代であったが、だからこそ、これほどまでに才能と気概にあふれた英雄たちがキラ星のごとく集ったのかもしれない。まさにこの作品は、胸の熱くなる英雄たんである。
現在は10巻までが刊行されており、ちょうど日清戦争が始まろうとするところである。今後は海戦シーンも増え、ますます面白くなること請け合いである!
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