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キャットさんのレビュー一覧

投稿者:キャット

14 件中 1 件~ 14 件を表示

紙の本子どもはぜんぜん、悪くない。

2005/04/29 07:24

おにいさんの秘密が今ここに

21人中、21人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

NHK「おかあさんといっしょ」の「たいそうのお兄さん」は、年齢不詳、未婚か既婚かは不明。今年3月にお兄さんを卒業したことで、弘道おにいさんの全てが初めて語られることになりました。10年前、なにげなくNHKをつけた時、爽やかなお兄さんがしなやかにダンスしている姿は今でも鮮明に覚えています。「カッコいい!」 その時、私は子供が居ませんでしたが、弘道おにいさんにすぐに夢中になりました。当然お母さんにも大人気のおにいさんですが、それ以上に子供にも人気があるというのは、テレビ画面を通しても十分に感じられました。泣いている子供に優しく手を差し伸べるお兄さん、ぐずる子供と手をつないであやすお兄さん。そんな弘道お兄さんは、視聴者から見る限り、「お兄さん業」は天職であり、楽しそうに毎日仕事をしている、というイメージでしたが、この本を読み進めると、試行錯誤の毎日を送られていたのが分かります。初めてオーディションを受けたとき、一人だけスーツ姿で場違いだと感じていたのに、なぜか選ばれてしまった自分。迷いながら悩みながら、自分の目指す道を切り開くまでの一人の青年の成長記録といってもいいでしょう。初収録は、彼の人生で一番悲しい日に行われました。弘道お兄さんの強さと優しさは、この悲しい出来事の影響が大きかったのかもしれません。子供の存在全部を懸命に愛し続けたお兄さんは、全国の子供達の父親だったと思います。彼は12年の間、たくさんの子供達を見続けてきた「専門家」です。子供達、お母さん達へのメッセージは、どんな専門家が子供について語るよりも正しく的確なものとなっている、と感じました。まずこの「タイトル」にお兄さんの優しさがにじみ出てるのを感じるのではないでしょうか。そして、何よりも今まで隠されていた、彼の家族の温かさが胸を打ちます。奥様が素晴らしい人で、ユーモアもある素敵な方だと思いました。この存在が、彼を支え、そして彼が私達母親を元気にしてくれるのだな、と思いました。お兄さんファンでなくても、子供を持つ親、そして子供を持つであろう方には是非読んでもらいたい素晴らしい一冊です。

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紙の本松居一代の超おそうじ術

2005/03/15 16:50

お掃除、してますか?

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

松居一代さんといえば、あの二時間サスペンスの帝王、船越栄一郎の奥様、そしてちょっと厳しい発言の多いコメンテーターというイメージが強いのでは。でも、最近ではお掃除の天才!ぶりをテレビ番組で発揮しているのです。ご存知ですか? 一見、綺麗そうなお宅にお邪魔しても、松居さんにかかったら…出るわ出るわのゴミ、埃。テレビを見ている方はご存知だと思いますが、「松居棒」なる必殺アイテムもあるのです! 正直言って、「そんなにしなくても、別にいいんじゃなーい」なんて、私は思っていました。でも、この本を読んで、すっかりその認識が変わりました。松居さんは、「家」「住まい」というものにとっても愛情を感じていらっしゃるのです。その大切な家を埃だらけにしていては、「家がかわいそう」ではないか、とこの本の中で訴えかけます。もともと松居さんを掃除マニアにさせたのは、息子さんのアトピーがきっかけでした。苦しい闘病生活には、ハウスダストは厳禁。その中で、松居さんはいろんなことを学ばれたのだと思います。ただの掃除オタクのうるさいオバちゃんではないのです! この本を読み終えると、自分がどれだけ、「家、住まい」を愛してないか、反省することばかりで、ほんとに恥ずかしい思いです。
そしてその内容といえば、一章一章が場所別になっており、一種の攻略法(?)のようなつくりになっていて大変見やすいです。
それ以外にも「ナインティナインのぐるナイの「ゴチ」は、本当に自腹なのか」など、ちょっとした面白話も載っていて、読んでいて楽しい内容になっています。苦労した話も自分の活力にしてしまう、この松居さんのパワーには脱帽です。大嫌いな家の掃除も、松居パワーで明るく、楽しく、元気にやっつけてしまおうじゃありませんか! 世の「掃除嫌い主婦」の皆さん!!

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さあ、どうしよう。

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2ch(2ちゃんねる)から発生した書籍が増え、これも一つの流行なのかな、と思っている時に、この作品を手に取った。「鉄」という男性が骨髄ドナーに選ばれ、移植を終わった自身の感想までを、2ch掲示板の書き込みのまま、本にしたものだ。「鉄」は、ドナーに選ばれて、移植されるまでのありのままの気持ちを全て吐露している。しかし、シリアスになり過ぎてはいない。自分がしようとしていることの意味を考えるより先に、物事がドンドン進んでいっている、そんな印象を受けた。現実というのは、意外にそんなものなのかもしれない。掲示板には、既に移植をした人、移植を待つ患者などが、自分の気持ちを「鉄」に正直に話しており、静かに進んでいく会話の中で、「生きる」ということがこんなにずっしりと重いことなのだ、という思いが伝わってきた。常々ネットの「悪」と評される2chには、このような素晴らしい部分があるのだ。匿名だからこそ、語ることの出来る事実なのかもしれない。普段私は、天災などの義援金を、金額が少なくても送ることにしているが、「こんな少ない金額を送って、単なる自己満足ではないか。これは「自己陶酔」という偽善ではないか」と思うことがあった。自身の体を提供する、という意味では、義援金よりもっと大変で勇気のいる決定ではあるが、「鉄」もまた、「偽善」という言葉を使っていた。しかし善であるか偽善であるかなど、実はどうでもいいのかもしれない。何かのきっかけで、アクションを起こしたことにより、何かが変わっていく、その大きな役割をこの「鉄」は書籍にすることによって果たしたのではないかと思う。私もここのところ、「ドナー」について夫と話している。もしも手術によって私に障害が発生してしまった場合、周りの人間に迷惑がかかる、という迷いがドナー登録に二の足を踏んでいることは確かだ。親御さんが止めたので諦めた、という話もある。私の中では、「鉄」のような勇気は恥ずかしながらまだ出てこない。でも「もう一度考えてみようか」という気持ちが、心の中に残ったのは間違いがない。

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分かりやすいので、ちょっと興味が湧いてきました。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

夫が昨日「一度読んでみたら。主婦のほうが興味持つかもしれないから」と言い、私に一冊の本を渡した。それがこの「外貨で〜」である。30も超え、子育てでいっぱいいっぱいになっていると、難しいことを考えるのが苦手になり、日々の生活も保守的になってきている、というのが正直な話だ。外資? とんでもない。リスク? あるんでしょ? 例え1円でも、絶対損をしない定期預金のほうがマシ。そう思いながら、この本を読み進めていた。
 著者の田平氏は、内科医。患者さんに投資関係の相談をされることがよくあるという。素人相手に、噛んで含めるようにいつも説明しているからだろうか、私にとっても大変読みやすいものだった。
外貨為替保証金取引(FX)と外貨預金の違い、FXと株はどちらがリスクが高いか、そして、どちらが成功しやすいか、など、素朴な疑問も全て書き記してあるので、「なるほど」と思うことばかりだった。今現在の日本経済状況を、日本をひとつの家庭の家計として考えてみると…などと、平易な書き方でよりリアルに伝わるように表現されており、非常に面白かった。日本がこんな状況なのに、日本円のみの資産管理というのは、かえって「為替リスクが高いと言えるのではないでしょうか」という問いかけには、大きく頷いてしまった。
ただやはり、全く基本を理解をせずに、大儲けしようと焦ってすぐにFXを始めようとするのは、早計だとは思う。まずは、すずめの涙の隠し財産(つまりへそくり)で、家計には響かない程度に少しずつ、少しずつ、失敗しながら学んでいこうか…と、読んだ後は、ほんの少し積極的な目で見られるようになった。全てはFXを始めてから、この本の威力が分かるのかもしれない。

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紙の本理想のママのつくりかた

2005/09/02 15:57

久しぶりに号泣しました。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「お母さんが怪獣になってしまう」子供から見たら私だって、恐ろしい怪獣なんだろうな、といつも思う。ちいちゃな頃は、自分の母親が怖くて怖くて、「自分がママになったら、絶対優しい、ステキなママになろう」とあんなに心に誓ったっていうのに、現実はそんなに甘くなかった。泣き喚き、騒ぎ、好き勝手する娘と、進まない家事。部屋はぐちゃぐちゃ、皿は洗ってないのに、下の息子0歳は号泣、娘も地団駄。これで怪獣にならなくて優しいママでいられるほうが珍しいってもんだ、と開き直っている時にこの絵本に出会った。実は作者の森野さかなさんは、小さい頃、継母に虐待を受けていたのだという。さかなさんの、「自分の子供には同じ思いをさせたくない、他のお母さんだって同じ事をさせてはいけない」という強烈な思いが、この作品を傑作に仕上げたのだと思う。
怪獣のようなママが嫌になってしまった「あたし」は、理想のお母さんに会いに行く。理想のお母さんは何でも話を聞いてくれる、とっても優しいお母さん。「あたし」は、笑いながらも涙をポロポロと流す、、、。この作品は、その後の展開が本当に素晴らしい。作者は私達母親にメッセージを送っているのだ。今、辛ければ辛いほど、この物語が深く心に刺さるだろう。忘れかけていた大切なものに気付かせてくれるこの作品によって、救われる沢山のお母さんがいると思う。頭の中の何かが「プチン」と音を立てて子供達を酷く怒る前に、この素晴らしいストーリーを思い出せば、柔らかく温かな気持ちを取り戻せそうな、そんな気がする。

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紙の本春にして君を離れ

2004/07/06 11:38

自分の心はミステリー

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今年クリスティ文庫が創刊され、その中に「推理小説でない」がクリスティとしてはずせない素晴らしいこの作品が入っている、というのは実にうれしい。表紙の写真も素晴らしい。作品を読んだあとでじっと表紙を見つめると、読む前にイメージしていたものと全く違ったものが見えると思う。
内容は、ごく普通の裕福で幸せな中年の女性が、旅行先で一人になったことがきっかけで、自分の今までの人生が崩壊するような、自分の家族の中の暗闇に気付く、という作品。それもその暗闇が、全て自分から発していることが原因だと気付いたら…。「全て自分が悪いのだ」と認めるのは、とても辛いことだと思う。おまけに今の今まで「自分は完璧で、幸せだ」と思っていたのだから、その幸せを全てひっくり返してしまい、不幸のどん底に自分を落としこむのはたまらないだろう。ただ、その事に彼女が気付いたということは、心の奥底では自分の中にある家族との違和感に気付いていたはずなのだ。それを彼女は認めるのか、それとも気付いてしまった恐ろしい事柄にしっかりと蓋をして、今までどおり仮面の幸福の上で暮らしていくのか。

この本を閉じて、ふと自分を振り返ってみたとき、自分の幸せは本当に心からの幸せなんだろうか、と恐ろしい想像をしてしまった。誰の中にもある不安が表面にひょっこりと飛び出してきたような、そんな不安定な心をうまく描いた傑作心理ミステリーだと思う。
主人公の年に自分がなった時、読み返すとまた違った思いになるだろう。今後も何度も読み返したい作品だ。

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一年使えば、「英語脳」になれるか

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

英語の勉強をしている。いろいろ調べてみると、どうも私の頭の中で起こっている「英語→日本語訳」というのが、英語を習得するのにはあまり良くない、と言われているようなのだ。といっても、私は日本人。夫も日本人。英語ばかりに触れるという状況ではない。そこで、私は今までの勉強の仕方を全く変えることにした。「英和」辞典を使わない。「英英」辞典で延々と意味を調べる方法をとることにした。これは、数年前にかなり流行った「英語は絶対勉強するな」の受け売り、だからその「英絶」で推奨されていたこの「コウビルド英英辞典」を買った。非常に単純な発想だが、何事も挑戦してみなければ始まらない。実際使ってみると、これが意外に面白い。例えば、BEWAREという単語を調べてみると、その説明文にHARMという知らない単語が出てくる(こんな単語も知らないのか、と言わないで欲しい。だから勉強しているのだ)。HARMを調べると、今度はINJURYという単語が出てくる。これを延々と書き続ける。知らない単語はちょくちょく出てくるが、説明文も例文も決して難文ではない。「あぁ、なんとなく言いたいことは分かるような、(でも分からないような)」という具合なのだ。だから、先に進んでまた辞書を引く。気が付くと一時間辞書に夢中になっていた。私は他の英英辞典を買っていないので他と比べようがないが、この辞典、なかなか面白い。ただ、これが私の英語の実力アップになるかどうかは、あと一年ほど続けないといけないようだ。継続は力なり。この「イミダス」のようなデカイ辞典をボロボロになるまで使って、是非「英語→英語で考える」という脳になってみたいものだ。

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より分かりやすい解説、ダイレクトに視覚に訴える作りに

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

稲垣吾郎のCMでおなじみ、GMO(グローバルメディアオンライン)社長、熊谷正寿さんの「1冊の手帳で夢は必ずかなう」。前回と内容はほぼ同じなのですが、図解になっているため、よりダイレクトに視覚に飛び込んできます。著者は21歳の時に「35歳までに会社を作り、上場させる」という、その当時は笑われてしまうようなでっかい夢を手帳に書いていました。絵空事のような夢の中のようなその目標を、著者は見事35歳でGMOを株式上場させることで達成できたのですから、大変驚くとともに、「どうやって目標まで到達できたのか」、「その秘訣を知りたい」と思いました。まず驚くのは表紙の分厚い手帳、これは御本人のものです。手帳の分厚さ=目標の大きさであるから、誇っていいのだ!と著者はいいます。自分を振り返ってみると、なんと薄っぺらな手帳なのだろう、とちょっと恥ずかしくなってしまいます。著者の言葉だけでなく、有名な方々の手帳を活用した成功法がインタビューで何人か掲載されていて、こちらがとても興味深かったです。世界にも通用するような人々のインタビューの数々は、私のようなちっぽけな田舎のおばちゃんを奮い立たせてくれるような素晴らしい内容でした。この本に登場する方々の共通点、それは「目標がブレない事」なのでは、と読み終えてから思いました。そのために単にスケジュールとしてではなく、人生のスケジュールとして「手帳」を利用して、自分の人生までも変えよう!という、大きなスケールでいろいろ考える一つの機会としての1冊だと思いました。よくある自己啓発本のように、仕事オンリーでなく、「家族との幸せ」「父親としての自分」というのを、人生の目標のなかにきちんと取り入れている、というのも、この著書の素晴らしさの一つです。そういった点でも、サラリーマン、ビジネスマン、だけでなく、普通に子育てしている専業主婦の方にもお勧めの1冊なのではないでしょうか。

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金持ち父さんになる確率は10パーセント

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

少し前の作品ではあるが、投資に興味を持ち始めた私にはタイムリーだった。まず、日本人はどうもお金のことを口に出すこと自体に罪悪感というか、みっともなさがある、という教育をされすぎているような気がする。お金よりも気持ちが大事、というような。元々頭に組み込まれているような状態のものを大人になってからひっくり返すのはなかなか難しいと思うが、この本を読んでみると、なるほどと感心することは多かった。この作品は、「投資」「お金」を中心に語っているが、実は自分達の人生を先の先まで考えたことがあるか?という、実に基本的な疑問を投げかけていると思う。私達のような30代の若者世代には、年金額がいくら貰えるのか、などの先行きの不安がある割には、老後のことなど何も考えていなかったりする。投資をする、しない、にかかわらず、人生設計を今いちど考える良い機会にはなるのではないか。私はこの作品を読んで、自分が勉強不足であることを実感した。夫とともに今から勉強して、将来のことを真剣に考えるつもりだ。実際に著者が希望している方向まで進んでいくことはかなり難しいと思う。なぜならそれを実行しているのはわずかであるからこそ、この世にお金持ちがわずかしかいないのだから。ただ、私達は自分達なりの努力をしよう、と心に決めることが出来たので、個人的には良い作品に出会えたと思う。

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とにかくたくさんの人に読んでもらいたいです!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

プロのドラマーとして三十年。最初は当然無名から始まった村上ポンタ秀一さんの音楽生活は、あれよあれよという間に頂点へ。ポンタさんの半生は、男が読んだら「男が惚れる」、女が読んだら「女も当然惚れる」というようなカッコイイ、カッコ良すぎるエピソードばかり。ポンタさんは、超有名ミュージシャンのレコーディングやコンサートツアーに関わっているため、 この本にも沢田研二、矢沢永吉、忌野清志郎、井上陽水、尾崎豊、吉田美和、森高千里、坂本龍一の裏話など、面白いエピソードがてんこ盛り。ファンの人なら涙がちょちょぎれるくらいレアな話ばかりだ。是非是非ファンの方、そしてファンでない方も読んでいただきたいなぁ。
ポンタさんの食えない時代の話ですごいなぁ、と思うのは、貧乏でも先行投資で たくさんのレコードを聴いて研究していた、ということ。
「嗜好品に投資できないようなやつに、他人を感動させる音楽なんてできるわけない」と言い切る姿に、私は瞳はうるうる、またまた惚れてしまった…。ポンタさんについて本には載っていないがこんなエピソードを聞いたことがある。あるミュージシャンが「ポンタさんと一緒に演奏していると、いつもの自分以上の実力が出る。ステージで彼のオーラに包まれるとそれが可能になる。そんな不思議な魅力があるんだ」と話してくれた。そんな同業者のミュージシャンにも惚れられているポンタさん、「俺は練習をしない」と、このエッセイでも言い切っているが、実は「練習」をしていないだけで、素晴らしいプレイをするために、日々研究をし続けているのだ。言ってみれば、シンクロのように、外に出ている顔は涼しげだが、水面下では誰よりも深く真剣にドラムと戦っているのだと思う。 兵庫で生まれた若者が、自分の夢に向かって突き進み、実力で海外に進出して今でも大スターとして君臨している。その姿は、ミュージシャンを目指さない普通のサラリーマンでも、私のような主婦が読んでも、感動と尊敬の気持ちが湧きあがってくると思う。怖いイメージのポンタさんだが、ライブでこんなシーンを見かけたことがある。ある女性が花束をポンタさんに渡すと、ポンタさんはスティックの束をプレゼントした。女性は大切にスティックを抱えて席にもどっていったのを覚えている。そんなジェントルなポンタさんの姿も、このエッセイでは見え隠れする。そんな魅力200%のこのエッセイ、絶対買って損はしない作品だと思う。

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紙の本牧逸馬の世界怪奇実話

2004/02/13 11:25

島田先生、ありがとう

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルにもなっている牧逸馬というのは、一九〇〇年生まれという大変古い作家である。牧氏が、欧州で買い集めた資料をもとにして書かれたのがこの作品。タイトルの一覧を見るだけで、なんともいえないおどろおどろしさを感じる。「ブタペストの大量女殺し」「ハノーヴァーの人肉売り事件」「双面獣」など、想像するだけでぞっとするようなタイトルだ。だが、牧氏の文章にかかればそれは不思議に、気味悪さの中にある魅惑的な部分に変わり、いつの間にか私は夢中になって読み進めていた。
今となってはすっかり有名になった、切り裂きジャックやタイタニック号の悲劇も、ここまで詳しくは知らなかった。今どきの若い人ならば、「へぇ〜」と言うような事ばかり。ここで内容を詳しく書くことが出来ないので、とても残念だが、気になる方は是非とも読んでもらいたいと思う。私が一番気に入ったのは、「テネシー州 猿裁判」。知る人ぞ知る話らしいが、私は全く知らなかった。実に馬鹿らしいような、おかしいような、しかしとても深刻なこの裁判には本当に驚いた。自分の信じる宗教、信仰と、他者の信仰の考え方の違いによって起こるさまざま事件は、今の世の中でもまだ延々と続いている。笑ってしまうような「猿事件」も実は笑っていてはいけないのかもしれない。
この「怪奇実話」が初めて出版された時に、タイタニックもマタハリも何も知らない状態で読めたたくさんの人達がとてもうらやましい。リアルタイムで読んだらどれだけの衝撃だっただろう、と少し悔しくなる。
今となっては、作者の牧氏、そして登場人物は全てこの世にはいないだろうというのに、その作品は全く古臭くなく、色あせていない。
この作品を選んで、現代の世に新たに甦らせてくれた島田氏に感謝をしたい。久々に、家事を後回しにして夢中で読んだ作品だった。 

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この表紙にピンときたら、読むべし!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ここのところ愛知が大注目されている。まず経済面。トヨタを始め愛知の企業は「不況」という言葉を忘れているかというほどの好調ぶりで、地価もグングン上がっていると言う。そして、ファッション面では、あの「名古屋嬢」。キャンディキャンディの「イライザ」もびっくりの巻髪、そしてブランドバックを持つ姿が、日本中の女性の注目を浴びている。そして、今はなんと言っても愛知万博(愛地球博)、空港セントレア。日本中が「名古屋は凄いんじゃない?」と注目している今、この真っ赤っ赤の派手な本が発売した。「名古屋式!」著者の雷門獅篭氏は名古屋出身ではないが、名古屋で3人しか居ない落語家の一人である。生息地は、大須演芸場。大須から発信するこの傑作は、東京人から見た、「不思議な人々名古屋人」を丸裸にしている。名古屋人である私が読んでも、「おぉ、鋭い!」と驚くようなびっくりトリビアがぎっしりびっちり、なのである。おまけに、名古屋の風習、名古屋の見所、名古屋の名物料理など、押さえどころはきっちりおさえてあり、笑ったり、(おかしな風習に)首をかしげながら読める、素晴らしい名古屋の「ガイドブック」になっているところが凄い!と思う。表紙の「気志団」ならぬ「気志麺」は、著者が描いたものであり、著者の爆笑4こま漫画も名古屋を斬りまくっている。とはいってもこの著者、名古屋人さえも忘れている名古屋の良さに気づいているようで。笑い飛ばしていても決して不快に感じない。むしろ名古屋人よりも名古屋人らしいかもしれない。名古屋の愛情がたっぷり詰まったこの作品、愛知万博のお土産に良いかもしれない。「モリコロもいいけど、気志麺もね」とばかりに、名古屋でこの赤い本を持てば、貴方も「気志麺」の同志だ。

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聞くは(買うは)一時の恥聞かず(買わず)は…。

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著者は、NHK「週刊こどもニュース」という番組のキャスターとして、子供たちに経済のことや政治のことなどを優しく教えている。実は私、この番組のファンである。子供達への説明であるのにすっかり大人の私が「へぇー、なるほどそうなんだ」と初めて知ったりする事柄もあり、大変ためになる番組だ。タイムリーな政治経済の話題を、とても親切に教えてくれる著者が、今度は私達大人へ(特に私のように政治経済の話題をさけて通ってきたような人間に対して)まるで番組の子供たちに教えるように、懇切丁寧に経済のことを語ってくれる。正直言ってしまうと、これほどまでにストレートなタイトルだと、書店のレジで購入する時「私は政治経済が苦手なまま大人になったアホでーす」と宣言しているようで恥ずかしいかもしれない(bk1を利用の方は安心して買って下さい(笑))。私は、それでもいい!と思えたので購入した。年金問題、銀行の問題、日本は景気が良くなっていくのか?など、私達の身の回りでニュースになっている事柄が、読みやすく噛み砕かれて書かれたこの本を読むことによって、急に身近に感じられるようになるだろう。著者は、「ステラ」というテレビ雑誌でも政治経済について連載を書いているが、こちらも大変読みやすい。今回の連載はアメリカのケリー候補についてだった。まるで子供に説明するように、噛み砕かれたものを読むことを恥ずかしい事はない。要はどれだけ理解をするかが大事なのだ。ということは、難しい本を読んで知ったかぶりをしているより、より分かりやすい本を読んで、「なるほどー」と自分の体に入っていく方が良い。その点で、この本は、面倒で避けたくなるような話題について、大変興味を持たせるような内容になっていると思う。

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紙の本覆面作家は二人いる

2004/01/22 16:03

ありえない、だけど面白い。

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久しぶりに読み返して、お嬢様の千秋の賢さと面白さをまた堪能した。設定は、実際には絶対絶対ありえないこと。なのに、どうしてこんなに楽しいのだろう。彼女がリョースケに電話するときの「名乗るものではございません」というところなど、なんだかおかしくて仕方ない。短編のせいか、すいすいと読めて、いつの間にか彼女の虜になってしまう。この二人、このままなのかな、もっと近づいていくのかな、などと、推理の部分以外の、二人の行く先のことまで気になる。読んだ後でさわやかな楽しさが残る、素敵な作品だと思う。

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