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truckeeさんのレビュー一覧

投稿者:truckee

6 件中 1 件~ 6 件を表示

35年もの間、人間は何をしてきたのだろう

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

初版が1970年のこの本。35年経った今年2005年に、この本は第66版を迎えたそうです。著者は横浜国立大学名誉教授の宮脇昭先生。既にここ数年で関連の本を読み、感銘を受けてはいましたが、35年も前から既に自然と人間のかかわりについて、徹底して同じ考えを持ち続けておられることに、ただひたすら驚きと敬意を感じてしまいました。

35年前に発売されたこの本の中では、人間がエゴを追求していくことで、自然環境が破壊され、人間社会に悪影響が確実に及ぼされていくことが、既に警告されています。そして、人間と植物のあるべき関係が具体的事例とともに説明されています。「地球温暖化」という言葉はまだ出てきていない時代です。まだ、誰も、そんな環境問題の存在には気も止めず、次から次へと開発を進めていた時代です。ここ10年の間で環境問題は多くの国民の関心を持つようになってきましたが、順調に解決方向に進んでいるとはなかなか言えなそうです。

35年前1人の研究者が発信したメッセージは、少しずつですが、徐々に多くの人に伝わり続けているようにも感じます。もっと多くの人がメッセージを通じて、何かに気がついてくれるといいなと思っています。文系人間の私には、専門用語は難解ですが、それでも最後まで読み終えたときに学べるものは多かったです。少しずつでも、じっくり読み進めて頂きたい一冊でした。

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紙の本いのちを守るドングリの森

2005/02/18 13:12

私たちを守るドングリの秘密とは

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

そういえば最近ドングリをあまり見かけなくなった気がする。幼い頃はよく拾って遊んだのだけれど。でも、「そもそもドングリってなに?」と質問されたら少し戸惑ってしまう。ちゃんと答えられる人はあまり多くないのではないか。そして何よりタイトル、『いのちを守るドングリの森』。これだけ見たら少し驚くかもしれない。「なんで木がいのちを守るわけ?」と。

いわゆる「ドングリ」というのはシイやカシの木の種子で、日本の土地本来の木々であるという。杉やヒノキの林が昔からある緑だと思っていたら、実は大間違い。それらのほとんどが間違った土地に造林されたものだというから驚きだ。

では、土地本来の木々はどこにあるのかと疑問に思うが、それは神社などに代表される「鎮守の森」に残されているという。社寺を囲む鬱蒼とした深い、濃い緑がまさしくそれだ。一歩敷地に足を踏み入れると、静けさと厳かさに包まれるような気がするのも、本物の森だからだろう。都会にある弱々しい街路樹とは、確かにその生命力は全く違っているように見える。

しかし、そんなエネルギーに溢れた本物の森は、現在、危機にあるという。日本だけではなく、世界中で土地本来の緑が失われ続けている。緑がなくなると人間にどんな影響があるのか? 例えば、災害時の土砂崩れ、風水害、生態系の破壊や地球温暖化など、直接的・間接的にもその影響は計り知れない。

そんな中、著者が情熱をもって長年取り組んでおられるのが「植樹」である。絶対的に豊富な知識・経験から導かれる植樹や自然保護の概念は一見シンプルだが、実に奥深い。土地本来の色々な木を植えることにより森の再生を目指しているが、日本における主役の木はまさにドングリの木であり、地震にも火事にも耐え抜き、私たちの命を守ってくれるのだという。本を読み終え、ドングリの木をより一層増やす努力をしないといけないなと痛感させられた。

以前に、著者の人生を描いた『魂の森を行け』(一志治夫著)を読み、その生き様や考え方に非常に感銘を受けたが、この本では更に一歩専門的なことを学べる。もちろん、基本であるドングリのイラストも掲載され、形の特徴から木の種類を判別できるようにもなっていて、初心者にもぴったりだ。それにしても、これだけの内容を学術書ではなく新書に収めたのはすごい。とにかく「濃い」一冊だった。

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あすのために、すべきこと。できること。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

以前に読んで非常に感銘した『魂の森を行け-3000万本の木を植えた男の物語』の主人公である、宮脇昭先生(横浜国立大学名誉教授)が書籍を出された。

内容は横浜で行われたという講演会、毎日新聞で掲載されていた宮脇先生と様々な方との対談をまとめたもの。写真などもたくさん掲載され、なかなかイメージしにくい「植樹」というものが具体的に視覚的に、わかりやすく、様々な角度から解説され、一歩踏み込んだ「現場」をうかがい知ることができた。

自治体や非営利団体、民間企業など多種多様な社会の中で、「環境」が考えられ、「植樹」やその他の貢献活動が行なわれている事が紹介されており、実に興味深い。

驚いたことに、第3部に「防災生態環境保全林」形成実績というリストがあり、宮脇先生が携わった「森作り」の一覧が掲載されている。自分の住む土地でも、そして、自分が生まれるよりも前から、宮脇先生による森作りが行なわれていた事に驚き、敬意さえ感じた。

宮脇先生の本はいつも自戒の念をももたらしてくれる。語られる言葉は哲学的でもあり、深く深く心に響いてくる。植樹や環境に興味がある人にとってはもちろん有益だが、それよりも全ての人が人生についても学べる素晴らしい一冊だと思った。

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紙の本豆腐道

2004/11/30 09:50

愛されてやまない「豆腐」の秘密とは

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

京都・嵯峨を訪れる人の多くが心待ちにする食べ物。それが湯豆腐である。数々の店で湯豆腐が客にもてなされている。そしてその店々から絶大な信頼を誇る豆腐屋、それが、嵯峨豆腐「森嘉」だという。

「森嘉」は古くからこの地で愛され、現在5代目森井源一氏がその味と伝統を守っている。本書『豆腐道』では、その5代目が、地元はもとより全国から愛される「豆腐」の秘密を語っている。

「森嘉」の豆腐には、実に豆腐の概念を一瞬にして覆すほどの本物の味わいと深みがある。至る所で持て囃され、濃厚で甘みが強く数口食べれば満足する豆腐とは性格を異にする。口にした瞬間に溶けて消え、大豆の甘みと旨みが口の中に広がり、もっともっとと欲するような、そんな豆腐なのである。

『豆腐道』を読むと、ご主人の真っ直ぐな、ただ真摯な態度に敬意すら感じる。豆腐とはかくも深いものか、と自分が恥ずかしくなる。その語り口は、時に厳しさも感じるが、素朴で穏やかだ。驕りや媚など微塵にも感じられない。「豆腐」作りを想像すれば、こだわりは「水・大豆・温度」位と思っていたが、甘かった。ここまでこだわり抜いてこそ、あの豆腐が生まれるのだと納得した。

ご主人はこう語る。「嵯峨の気候風土すべてが味のうち。その土地でその日に作ったものをその日のうちに食べていただく」。物が溢れ、物質的に満たされすぎ、スピードや効率ばかりが物言われる現代日本において、今、この言葉に耳を傾けることが大切なのではないか。

そして、巻末「森嘉の真髄」も見事だ。ライター一志氏によるキレのある表現と描写力が、より一層、ご主人の「職人ぶり」と「人となり」を余すところなく伝えてくれる。

「森嘉の真髄」で『豆腐道』がさらに引き締まった、そんな感じさえした。森嘉の「豆腐」を味わってから『豆腐道』を読むもよし。『豆腐道』を学んでから森嘉の「豆腐」を頂くもよし。何度でも味わいたくなる、そんな珠玉の一冊。

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超改作!おすすめ!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本を読み終えたときに、「たくさんの人にこれを読んで欲しい!!」と心底思いました。本を読んでこんなに感銘を受け、人に薦めたくなったのは、正直初めてです。自分でも驚きました。今ではすっかり「バイブル」になっています。

この本では、植物学者である宮脇昭先生というまさに「信念の人」のすさまじい、素晴らしい人生が、かっこよくそして実におもしろく描かれています。本のデザインもおしゃれで、中身も歯切れの良い、力強い、心地よい文章でとても読みやすいです。読み始めたら、なかなか止まりませんでした。

「木を植える」という一瞬馴染みのないテーマでしたが、予想の数倍おもしろく、あっという間に読み終わりました。決して難しい、堅いお勉強の本ではなく、環境や自然、人間関係(恋愛も!)、人としての生き方、哲学などなど、たくさんの事を学べると思います。そして、自分の中で何かが変わると思います。

本の中で一番心に響いた言葉は、「みんながちょとずつ我慢して、共生する」というものです。これは植物や環境だけでなくて、人間社会にもまさに大切な考えだなと感銘を受けました。是非ぜひ皆さんに知ってもらいたい部分です。

とにかく、たくさんのいろんな人に是非読んでもらいたいと思いました。自信を持ってお勧めします! これで1400円は絶対にお買い得です! 納得のいく超快作でした。

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忘れていた風景

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

中越地震があるまで、山古志村という名前さえあまり聞いたことがありませんでした。初めてこの村の写真を見た時、思わず息を呑んでしまいました。こんなにもうつくしい風景が日本にあるのか、と自分の無知を恥じました。外国の自然の美しさばかりに目を惹かれ、日本の古くから残された大切な風景に無関心すぎました。

写真集では本当に美しい村の様子、そして今では見られなくなってしまったという風景が美しく映し出されています。おとぎ話に出てくるような幻想的な写真も多くあります。子供たちやおじいちゃんおばあちゃんの自然な姿も、素朴で温かみがあります。都会では見られないような、日本人が忘れかけてしまっているような、人とのつながりが垣間見られるような気がします。そして写真とともに、祈りの言葉が綴られています。それは、静かに、そして穏やかに、深い祈りとして伝わってきます。ページをめくるたびに、その祈りが強くなり、最後では泣いてしまうほどでした。

この写真集は、すべてがボランティアの精神に基づいて発刊に至ったそうです。写真はアマチュアカメラマンの方により無償で提供。製作スタッフもすべてがボランティアで、本の売り上げはもちろん山古志村復興のために寄付されるそうです。作り手と読み手が一緒になって、たくさんの方を応援できるような素晴らしい本だと思いました。

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