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中小さんのレビュー一覧

投稿者:中小

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紙の本金融維新 日本振興銀行の挑戦

2004/06/09 23:20

われわれは中小企業者は、敵(金融機関)をもと知ろうではないか。

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著者は「中小企業者に対するわが国の貸出慣行が改善する1つのきっかけになることを…」と先ず「はしがき」で述べておられる。
考えてみれば、われわれは金融への無知をよいことに、銀行のいうなりできた。銀行の人は、口先はまことに丁寧ではあるが、彼らの頭と腹の底では、「ほんとうは零細企業なんかに貸したかぁ〜ねんだよ」が本音なのだ。銀行の貸付担当者は、あれやこれやの書類にペタペタと有無を言わさず「捨て印」を捺印させる。この「捨て印」なるものがいかにこわいものであるかも「か弱い羊」、「銀行の奴隷」は知らぬのだ。ここで、へたに文句つけて、せっかくの金銭消費貸借契約を反故にされたら、明日の手形が落ちなくなる。社員への給与が支払えなくなると思えば、ここは銀行様がなんと、どんなご無理をおっしゃろうと、とにもかくにもおとなしくして、「貴方の言うがままに裸にもなるわよ。」なのである。銀行は中小企業を客だなんて決して思っていない。事業計画なんてどうでもよいのだ。貸した金がいかに安全に手元にもどってくるかだけである。担保価値が「貸付判断」のすべてであり、「企業価値」や「人間の価値」は判断の外なのである。ましてや、3年先、5年先をみて、経営者を育ててやろうなんていう心遣いは微塵もない。
3000万円の借入れ債務があった。バブル崩壊後のことだ。中小企業への特別融資制度を申し込み、4000万円の融資を受けた。手元に残ったのは、たったの700万円であった。政府の特別支援制度で潤ったのは銀行だった。「お貸付の3000万円を、この際、ご返済いただくことで、社長ご勘弁を!」。これ「貸し剥がし」という。まったくケツの穴の毛を抜くとはこのことだ。「お」と「ご」をバンカーが口にするときは危ないぐらいはわっている。

著者が「心より願って」おられる貸出慣行の改善など10年先の話だ。われわれ中小企業者はそんな先をまってはいられない。銀行からの奴隷解放を1日でも早くお願いしたい。

銀行へのわれらわれの怨念は根深い。銀行がわれわれを信用していないのと同じくらい、われわれも銀行を頼りにしたくない。あまりにも社会的常識を逸脱しているからだ。
これを改善させるカンフル剤は、石原都知事の「担保主義を超越した融資モデルの構築」や「日本振興銀行」が金融界に競争の場を形成してくれることだ。

消費者金融業者も銀行がやっていることと同根で、債務者が何の目的で金を借りたがっているのかは問わない。貸した金の貸し倒れになるリスク分だけ金利が高いだけのことだ。おおきな違いは、銀行はエリート集団、紳士面をしているだけ。消費者金融はダーティマネー。ある場合は利息制限法などおかまいなしのヤクザの黒い金であるだけの違いだ。お札にはクリーンかダーティかは書いてない。

現在のわれわれには「過剰担保と過剰保証」か「夜中寝ている債務者のふとんをひっぱがす」類の悪徳高利貸しか頼るところがないではないか。

金利は銀行より割り高で結構だ。ミドルリスクマーケットの進出をぜひとも進めて頂きたい。
その場合に、ついでに大企業なり役人OBでもよい、ファイナスマネジメントのめんどうをみてくれる人を貸し金の「のし」としてつけてもらえればありがたい。
債権者にしても、貸した金の行方をウオッチできるからだ。金利+マネジメント料をパッケージにしての金融ソリューションサービスだ。

丸山真男が夙に主張している「ササラ型」と「タコツボ型」で、日本はこれだけシステムだ、ITだといっているが、あいもかわらぬ「タコツボ型」だから、この不況から脱却できないのではと思うのだ。霞ヶ関をみよ。(日本の思想:岩波新書)

著者、木村剛氏の金融改革に向けての自信満々、勇気あるご発言に敬意を表する次第。

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