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わっはっさんのレビュー一覧

投稿者:わっはっ

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本日本がアメリカを赦す日

2004/06/14 14:22

日米関係を見直すために

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

内容は日本の分裂したアメリカへの感情、日本はアメリカの子分であるということの否認、アメリカはインディアンを虐殺したということの否認がそれぞれの精神病の原因だとし、史的唯幻論で持ってそれぞれの建国史から掘り下げ、それぞれの国の侵した事件を元にそれはどういう意味か、ということを現代まで具体例を挙げて、現実の否認、東京裁判、愛国心について、侵略と謝罪、大東亜戦争の分析、アメリカのインディアンと日本人の同一視、平和主義について、などなど、今、日本とアメリカについて誰もが疑問に思うことを解き明かして生きます。

で、感想です
・表紙が一目見て気に入りました。岸田先生の本は木幡さんと矢吹さんがやることが多いようですが、私は木幡さん派なのでうれしいです。水彩画で書かれた自由の女神にピンクよりの紫のバック、紺色の題名が素敵です
・「現実を見なくてはならない」という言葉が多い。唯幻論では「現実なんてしょせん…」みたいなものだと思っていたのですが、考えてみれば現実の否認が精神病の原因なのですから、インディアンを殺した、とか日本はアメリカの子分、だとか自覚しなくちゃいけないんですね。
・岸田先生は歴史についていろいろ知っている。話を展開していくにあたって、すらすらと歴史上の事件とその意味をきちんと解釈している。事実は知っていても、それがどういう意味なのか間違った解釈をする人が多い中で、はずしていない。
・解説に「英訳がもう発売している」と書いてあったけどまだじゃなかったっけ?
・筋を通す、ということはとても大事だと教わった。韓国に謝るなら、アメリカにも謝らせるべき、などの例がたくさん挙げられている。国際関係は筋の通らないことがあってあたりまえだと信じきっていた。矛盾を直さない限り病気は治らない→政治的に見て病気を治すのは非常に困難→病気が延々と続く、ト…ってどうすりゃいいんだい!!!
・英訳版は自主出版のような形で発売らしい。どのくらい売れるのかが不安。野口さんは英訳発売に尽くした人だったとは知らなかった
・反米、親米、右翼、左翼、エトセトラなんて今そこらじゅうでやっている議論が馬鹿馬鹿しくなった。結局同じ盾の裏表に過ぎないんですね。
・岸田先生の著作の中でも傑作に入る部類の本です。これが610円とはお買い得ですよみなさん。
・ストックホルム症候群は精神分裂病の外的自己の状態。躁鬱病は自我を二つ持った人、という新しい精神分析理論の勉強になった。岸田ファンといいながら、ほかの精神分析家の本はあまり読んでいないので、、(ゴメンナサイ)
・題名が良い。日本とアメリカの現状を正しく表現し、且つ、希望に満ちている。
・幻想まっしぐら、のイベントのときも思ったが、何か前もって質問をたくさん用意し、岸田先生がそれに答える、というやり方は岸田先生に合っているのではないかと思った。もちろんそのためには良い質問者が必要になるが。

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紙の本二十世紀を精神分析する

2004/06/14 14:27

世界を精神分析

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 今まで日本とアメリカを中心に精神分析してきた筆者が本領発揮「今度は世界だ!」といわんばかりに、集団は個人と同じようにあつかえるという史的唯幻論でもって二十世紀を精神分析していきます
内容はペリー来航と第二次世界大戦にいたった経緯。ナチスの戦争犯罪と他国の様々な戦争犯罪の対応の仕方の比較。ソビエト帝国の崩壊はかつての大日本帝国の崩壊と類似しているとしてそれぞれを比較し、分析してみる文章。フランス革命の無意味とおろかさの経験の欺瞞がシラク大統領の核実験につながったというもの。他にも日本の政治家の、主に黒人などへの差別発言はなぜ起こるか。日本社会党の社会的役割(←これおもしろいです)コメの自由化拒否は何でもさせる娼婦がキスだけは拒むことによってかろうじてプライドを保っているようなものだという文章。資本主義はなぜ世界を制覇したか。スペインとドイツの罪。北朝鮮はかつての日本と似たような心理状態にある。など、二十世紀の各国の行動、問題を、岸田氏独自の視点で痛快に見ていくこの本は、現在の世界情勢を知るうえでとても参考になる、世界を見る目が一味変われる本だと思います
表題文のほかにもオウム真理教についてや、いじめっ子の親はわが子が他の子供をいじめていることを心のどかで楽しんでいるのではないか、子供もそういう親の気持ちを察していじめをやっているのではないかという文章。青年とは何か。二十一世紀の家族のあり方を模索する。こんな事を書いて岸田氏は大学教授の仕事をくびにならないのかと心配になるような、大学の腐敗をフィクションで描く「間違いだらけの教授選び」(筒井康隆の文学部唯野教授の元ネタだと思われる)。飼っていた猫や、映画館、高校時代、物書きとしての修行時代の思い出を語る文章などが収録されています
 私が印象に残ったのは岸田氏の尊敬するフロイトその他について語った「フロイド賛歌」です。岸田秀をなんとなく読んでいただけの私は「他の精神分析家はどういうことを書いているのだろう」と思っていましたが、この文章で疑問が解けました。岸田氏は「フロイド以外の人の理論は、つまるところ、フロイド理論の単純化、ある部分の誇張、言い換え、歪曲、わざわざ難解な表現への翻訳、無用な飾りたてとしか思えない。フロイド理論に組み込まれていない新しい要素がある場合にはユングの元型やライヒのオルゴンのような荒唐無稽なものであることが多い」と言い、フロイド以外の精神分析家を一人一人例を挙げながら批判していきます。そして最後に「そういうわけで、フロイド以外に使い物になる人がいないのである。あるいは、フロイドだけを使っていればそれで事足りるのである」と言います
また、岸田秀への批判は主に1,おっちょこちょい2,頭が悪い3,間違った正義感の3パターンに分けられるとし、その3パターン全ての批判への反論方法を詳しく書いた岡田斗司夫氏による解説は要点が絞られていてわかりやすく、かなり使えます

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