つめさんのレビュー一覧
投稿者:つめ
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2005/01/14 23:40
最適の町SF
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とてもいい塩梅のSF。
例えば、中学生の頃、隣の町に行く、うちの学校と違う色のジャージの中学生が町中にうろうろしている、そういった最小単位のSFから、ほんのひとまわり大きなSFという匂いがする。嘘なんだかどうなんだか、という匂い。
それを、小田扉の筆で書く。しっくりと箱におさまったように、絶妙で完璧に出来上がっている。うまいなあと思った。藤子F不二夫の作品のような気持ちよさすらある。
ので、続編とか他の作品とかを読みたいとは思わない。あってもいいけど、これだけで十分お腹はふくれる。いい本だと思います
紙の本ロストハウス
2004/07/23 02:54
フィクションのドキュメンタリー
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大島弓子の、最たる魅力のひとつは、彼女の作品の中でちゃんと人物が生きている所だ思います。絵やテンポをとると、一見淡々としているのですが、確実な感情をもって、物語は描かれています。いってみるとドキュメンタリーのように進んで行くのです。
だから、どんな事件が起こっても、日常の中でそれを受け止めていく登場人物達の姿が、儚くもあり頼もしくも映るのです。
そして大島弓子のもうひとつの魅力に、絶望だけで終わらないという所があると思います。決して夢のようなハッピーエンドではないけれど、ここに描かれたラストの数々は、リアルな希望をもたらしてくれます。この本は私にとって、ずっと一緒にいてほしい本のひとつです
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