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MANAさんのレビュー一覧

投稿者:MANA

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紙の本ナ・バ・テア

2004/07/26 20:22

独走する独創

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 戦争の話なのに、ありがちな悲壮感がない。今作も前作「スカイ・クロラ」同様一人の飛行機乗りの視点から、末端である個人の閉じた世界を描いている。
 とりとめのない、一瞬のキラメキのような人間の思考を散文詩のような独特の文体で表現する森氏お得意の語り口は健在だった。常に一人称を崩さない事により、あくまで静的に、淡々と、戦闘の緊迫感や疾走感を表現している。しかしそこに気怠くダラダラとした読みづらさはなく、むしろ作品全体に勢いが溢れていてスラスラと読み進めていくことができる。合間合間で使われるナンセンスな場違いジョークもちょっとした箸休めといった感じで面白い。
 ただ残念だったのは前作もそうだったのだが、あまりに独りよがりな表現が多かった点だ。戦闘シーンでの専門用語の濫用はまるで同人誌のようで、出版社もよくGO出したなと思った。
 あとはあまりに死が美化されすぎているように感じた。普段あまり作品に明確なテーマを置かず(最近は思想的な作品もみられるが)なぞなぞのようなレトリックを好んでいた森氏だけに余計に際立っていたのかもしれない。
 確かに好きな事をやりながら死んでゆくのは素晴らしいことかもしれない。安易な同情、結果論は逆に死者を侮辱するものだということもわかる。それでもやはり死は現象でしかなくて、尊ばれるはいつでも生者であり、生前の人生そのものであるべきなのだ。
 若い読者も多くあるだろう人気作家だけにもう少し表現のしようがあったのでは……と感じた。
 

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