三日月堂さんのレビュー一覧

いろいろな勇気をくれるこの一冊！

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奥さんが仕事でアジアに出張になった。
彼女は出掛けに旦那さんにこう言い残す。「毎日、メールを頂戴！」
旦那さんは頑張った。
天気の話とか、植木の話とか、天気の話…とか。
つまりは一日しか話題が出てこなかった。
そこで、以前、奥さんとスクラブルをした時、ＸとＱを手にして困り果てた時苦肉の策で出てきてもらった「Ｈｅｒｍｕｘ　Ｔａｎｔａｍｏｑ」
彼に登場してもらおう！旦那さんは考えた。
冒頭をちょっとだけ書いておいた「ネズミの時計屋さん、ハーマックス」に登場してもらったのだ。

そして、奥さんは次の日にメールを旦那さんに返す「で？　次はどうなるの？」


それから始まったハーマックスの冒険。
時計屋という仕事を代々受け継いでいるハーマックスは独身で、テントウムシのターフルとの共同生活中。ある日、思わず「ああ、これはなんと！」と思わず声がもれるほど、めちゃくちゃに壊れた腕時計の修理を依頼される。
せっかちで、しかめっつらがまるで似合わない陽気な顔つきのミズ・パーフリンガー。「大至急修理して！」と言ってたのに、いつまでたっても取りに来ない。「正確に時を刻むようにね。完璧に。ぜったい狂っちゃだめ！」って念を押されたけど、この時計を預かってから、ハーマックスの心も、生活も不正確で、狂ってしまったのだ。時計を直すみたいにこの局面を元に戻す為、そして
自分の想いを伝える為、ハーマックスの奮闘が始まった！

文字・装丁共に、とても雰囲気のいい本です。時々、そっと取り出して読み返したくなるそんな１冊です。