宗田理さんのレビュー一覧
投稿者:宗田理
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本子どもたちの戦友
2002/08/12 18:09
著者コメント
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
昭和18年、真次は東京から三河に移り住んだ。そのころになると、戦争はすでに敗戦に向かって坂をころげ落ちていたが、子どもたちはそんなことは知らない。食べるものも着るものも乏しかったが、目を輝かせながら遊びに夢中であった。三河湾は彼らの世界であった。
しかし翌年中学に入学すると勤労動員で授業がなくなり、海軍工廠に出かけた。こうしていやおうなく戦争の渦に巻き込まれていった。やがて大地震と空襲に見舞われ、あの日工廠は米軍機の空襲で一瞬のうちに壊滅、真次は傷つき友(それはまぎれもない戦友であった)を喪った。
本書で言いたかったのは子どもとは本来こういうものであり、子どもを幸せにするのも不幸にするのも大人だということである。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |