斉藤光男さんのレビュー一覧
投稿者:斉藤光男
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2001/11/01 18:01
著者コメント
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私は就職活動をよくマラソンに例える。マラソンは、「走る」という一見単純に思えるスポーツだが、実際はコーチのアドバイスが選手の勝敗を分ける。走り方のフォーム、トレーニングのスケジュール、コースの特徴、競技での駆け引き、本番直前に滞在するホテル、選手のメンタルなコンディション、食事のとり方などの総合的な要素が結果を左右する。
しかし、就職活動においては、いいコーチに巡りあえる学生は少ない。そのために毎年、学生の大半が、前年の先輩と同じ時期に同じ数十の失敗でつまずく。その結果、多くの人が迷走のあげく、第一志望の仕事につく機会を逸してきた。私は、過去1000人以上の先輩に個別にアドバイスしてきた経験をもとに、これからベストな就活の進め方を、皆さんに伝えていこうと思う。
皆さんが就職活動を始めるにあたり、最速で対策を仕上げたいと思えば、その方法は思いのほか簡単だ。次の2つのことを実践すればいい。
先頭集団の学生が、いまどの地点を、どんな方法で走っているのかを知ること。
先輩たちがつまずき続けてきたポイントを事前に押さえておくこと。
これまでの就職活動アドバイスでは、このどちらも体系的に示されることがなかった。結果として、先輩たちは目隠しをしてマラソンを走るような就職活動を強いられてきた。これではゴールにたどりつけないばかりか、普通に走ることさえままならない。もし就職活動をスタートするにあたって、自分独自のゴールを定める方法と走り方を習得しておけば、皆さんは最も速くコースを走り抜けることができるだろう。
就職活動対策の手法は、スポーツの世界記録が塗り変えられるように、毎年進化している。これまで就職活動の先頭集団にいる人しか知らなかったアプローチの数々を、本書では惜しみなく披露している。さらに、本の後半では、毎年8割以上の学生がつまずく数十の失敗について解説し、その改善策を提示した。これらを熟読することで、皆さんは、他の学生が袋小路に迷い込むのを尻目に数十の近道をくぐり抜けていくことができる。
本書では、頁の下段を使ってコメントやケース等を掲載している。これらのうち、「POINT」「図版」「ADVICE」だけでも目を通すと、最速の時間でこの本の主要部分を把握できるようになっている。今日中にエントリーシートを提出しなければならない人、明日、面接を控えている人などは、先にこれらの部分から読み始めてもいい。応急措置ではあるが、選考に通る確率を格段に上げることができる。
(中略)
本書を活用することで、多くの人はこの本に出会わなかった場合より、ワンランク上の企業の内定が獲得できる。はじめは惨敗という人でも、あきらめずに本書のアドバイスにしたがって就職活動を続けてくれたなら、ほとんどの人は年度内に納得できる就職先に行き着くことができるだろう。
ただ、はじめにことわっておきたいのだが、世の中に完璧なアドバイスというものは存在しない。学生一人ひとりが置かれた状況はそれぞれ違う。すべてのアドバイスが全員に当てはまるわけではないのだ。また、この本は、皆さんが就職活動を通して社会人として自立していってほしいという目的でも書いている。だから、はじめから「アドバイスに頼りきろう」という消極的な姿勢で読んでいたのでは、この書籍はクスリよりも毒になる場合がある。これから述べる内容を皆さん自身の判断で取捨選択し、役に立つ部分だけを活用してほしい。
本書に書かれている私からの皆さんへのメッセージを、折にふれて読み返してみてほしい。それだけで皆さんは、どの学生よりもロスの少ない就職活動を進めることができるはずだ。受験勉強などとは比較にならないほど重要な「就職活動というマラソン」において、皆さんがコースを完走できることを心から祈念している。
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