サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 河出書房新社 文藝編集部 高木れい子さんのレビュー一覧

河出書房新社 文藝編集部 高木れい子さんのレビュー一覧

投稿者:河出書房新社 文藝編集部 高木れい子

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本自殺サークル 完全版

2002/04/24 12:44

編集者コメント

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 2002年5月。新宿駅8番線ホームから、女子高生54人が手をつなぎ「いっせーのせっ!」と声をはずませ、中央線快速電車に飛び込む。事故か事件か!? その真相をめぐり事態が騒然とするなか、やがて<自殺クラブ>の存在がネット上に浮かんで……。
 園子温監督の映画「自殺サークル」は謎多き作品と言われている。加速する連鎖自殺、廃墟ドットコム、現代のチャールズ・マンソンを名乗る狂信的な男、そして子供たちだけによって運営されていると思われる自殺サークルの存在……だが謎めいているのは、それぞれの因果関係が見えづらいからではない。
 「あなたと世界の関係は何ですか?」「あなたとあなたの関係は何ですか?」「あなたは何がいちばん知りたいのですか?」——すべての疑問を口にする子供の執拗さで、世界の根本について問い続けること。この映画が謎多き作品に見えるのは、どうやら、私達の世界が、謎めいているからなのだ。
 このスフィンクスの謎かけのような問いに、果敢にも自ら答えようとしたのが、園監督自身の書き下ろしによる、この小説だ。映画とは全く違うストーリーをもつこの作品は、1行先も読めない意外な展開につぐ展開で、エンターテインメントとしても、今までにないおもしろさを味わっていただけると思う。だが何よりも、「ほんと
うの私とは何か?」という思春期のやわな問いをも握りつぶす圧倒的な静謐さが、この小説の魅力だ。まるで青空が目にしみるように、この小説を読むと、違ったフィルターで世界をながめることができるようになること。それを著者ともども願ってます。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。