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著者・中山和久さんのレビュー一覧

投稿者:著者・中山和久

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読者へのメッセージ

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物質的には恵まれつつも精神的な寂しさを抱える現代日本人にとって、巡礼・遍路のキーワードは「こころのふるさと」「癒し」「健康」「成長」である。
巡礼は、時代を超え、文化の壁を超えて実践され続けている普遍的な行為であり、それぞれの時代・文化に応じた意味がある。おそらく将来の日本にとっては「祈り」がキーワードになるだろう。それほど巡礼というものは、とてつもない魅力と作用を秘めている。

本書は、私が巡礼研究に10年間とりくんだ蓄積と成果を存分に出し切ったものである。
執筆の根底には、多くの人々の巡礼実践を体系的に配列して、人類に普遍的な活動としての巡礼の文化を概観したいとの欲求があった。そのため、現在最も多くの日本人の関心を集めている伝統的な四国遍路と西国巡礼だけでなく、身近な七福神めぐりや新しい不動巡礼、まだ知られていない世界の巡礼まで、巡礼・遍路の世界を俯瞰して全体像をとらえることができるように構成した。

おそらく、手にとった印象では、「なぜ?」「どうして?」といったタイトルで目次が立てられており、図版も豊富であるため、まったくの初心者に向けて作られたお手軽な「入門書」と見えるだろうが、内容的には多くの先達の研究成果を直接に受け継いだ、れっきとした本格派の「専門書」であると自負している。
特に私は民俗学からの視点にこだわって本書を執筆した。民俗学は人々の生きる方法や生活の知恵を研究対象としているため、等身大の巡礼・遍路の文化を解明するためには、極めて有効なツールであると考えるからである。

より具体的には、私は以下のわかりやすさに留意して本書を執筆した。
(1)巡礼・遍路についての素朴な疑問がわかる
(2)巡礼・遍路の全体像が体系的にわかる
(3)典拠となる参考文献や史資料がわかる
(4)日本人の「こころ」と日本文化の特色がわかる
(5)巡礼・遍路の最新の研究成果がわかる。
特に(1)に関しては、私がこれまで周りの人たちから尋ねられることが多かった質問を100個選んで目次としたが、これが最も難しい作業であった。さらに、選り抜きの質問を、分析の3局面(儀礼・思想・組織)および範疇の3類型(巡礼・巡拝・参詣)に整理し、巡礼の世界を俯瞰する「概説」、巡礼の精神を体現する「人々」、日本の巡礼を代表する「四国・西国」、日本文化を照射する「世界」のそれぞれを加えて章立てとした。

どうか、巡礼・遍路に出る前には必ず、そして、帰ってきた後にも、本書を便利帳的に使用したり、拾い読みをしたり、ときには自身の知見とも対照させながら深く思考するなどして、末永く愛用して欲しい。また、読者には、これを土台として新しい思索をひろげて欲しい。そして、読者の子どもや孫たちにも、人類が培い育んできた巡礼・遍路の文化を伝え残して行って欲しいと思う。

著者・中山和久

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